動画ストリーミングサイトの「Hulu」が売却されることはなくなったようだ。
Huluの共同所有企業である21st Century Fox、NBCUniversal、Walt Disneyは米国時間7月12日、各社が「Huluにおけるそれぞれの所有企業としての地位を維持し、将来的な成長の促進を目的として、3社が共同で7億5000万ドルの資金を注入する」という意向をプレスリリースで表明した。
同プレスリリースは、21st Century Foxの最高執行責任者(COO)であるChase Carey氏が「われわれは、Huluが向かうべき最善の道は意味のある資本増強であり、これにより、現行の所有体制のもとで同社の成長をいっそう加速させていくと確信している」と発言したことを伝えている。同氏はさらに次のように述べている。
われわれは提携先や買収先候補の複数企業と有意義な話し合いを行っており、それぞれにおいて競合的な素晴らしい計画や提案がなされた。だが、21st Century FoxとDisneyは共通のビジョンと目標において完全に足並みをそろえており、そうした中でHuluチームがこの数年間に築き上げた驚くべき勢いを維持できるよう、今後もこうしたやり方で同チームに権限を持たせることを決断した。
今回の報道の前日には、Disneyの元最高経営責任者(CEO)であるMichael Eisner氏がBloomberg TVに対し、Huluの売却後は、現行のオーナー企業各社が自社のテレビ番組について、「基本的に翌日から利用できないようにする」だろうと語り、Huluが現在、ABC、NBC、Foxのプライムタイムのテレビ番組を放送の翌日に放映する仕組みについて言及していた。
複数の報道によると、最初の入札ラウンドでは、買収先候補の企業が数社参加し、2回目のラウンドでDirecTV、そして、AT&TおよびChernin Groupとの提携事業に絞られたという。Time Warner CableもHuluに関心を示していることが報じられているが、あくまで現行のオーナー企業とのパートナーとしてであり、完全な売却先としてではないという。
Huluのオーナー企業各社は2011年、その後Providence Equity Partnersも加わり、Huluの売却を中止している。売却後のコンテンツのアクセスをめぐる懸念から、買収プロセスから買収先候補の企業の一部が撤退するに至ったと報じられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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