マウスやGUI、ハイパーリンクといった、現在のコンピューティングの支えとなっている技術を生み出したDouglas Engelbart氏が死去した。88歳だった。
Engelbart氏の娘であるChristinaさんは電子メールで、同氏が米国時間7月2日夜、就寝中に穏やかに息を引き取ったと伝えた。
テクノロジライターであるSteven Levy氏は、かつてEngelbart氏のことを「すべてのデモの母」と評しており、おそらくIT技術者の間でもその呼び名が広く知れ渡っているはずだ。
1968年12月9日、当時スタンフォード研究所(SRI)のAugmentation Research Center(ARC)の責任者であったEngelbart氏は、サンフランシスコのBrooks Hall公会堂の壇上で、SRIのチーフエンジニアBill English氏との共同研究の成果に関するデモを行った。
100分間に及んだこのデモには、世界で初めて公開されたマウスや、ハイパーリンクとナビゲーション可能なウィンドウの紹介といった、パラダイムシフトを引き起こすテクノロジが含まれていた。The New York Timesの記者であり、「パソコン創世『第3の神話』--カウンターカルチャーが育んだ夢(原題:What the Dormouse Said: How the 60s Counterculture Shaped the Personal Computer Industry)」の著者でもあるJohn Markoff氏によると、真のパーソナルコンピューティングが世の中に紹介されたのはこのデモが初めてだったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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