書籍販売のBarnes & Nobleは損失の続いている「NOOK」タブレットの製造に見切りを付けた。
同社は米国時間6月25日に発表した声明のなかで、損失の続くNOOKタブレット製造事業から撤退することを明らかにした。
われわれは、製造にまつわるリスクを低減することで、NOOK部門の損失を大幅に削減する計画だ。今後も、電子書籍リーダー端末や電子書籍プラットフォームの開発は続ける予定であるが、競争の激しいカラー画面搭載タブレット市場向け製品の製造についてはパートナーシップモデルを構築するつもりだ。このため、「NOOK Simple Touch」と「NOOK Simple Touch with GlowLight」という人気の製品ラインについては自社開発を継続し、自社タブレットのラインについては、今後発表する予定にしている、消費者向け家電製品を製造するサードパーティーとの提携ブランドとなる。
NOOKに関する情報は、Barnes & Nobleの第4四半期および通年の会計決算報告のなかで明らかにされ、そのなかにはNOOK部門の芳しくない最新の業績が記されている。第4四半期におけるNOOKの売り上げは、端末の販売が落ち込んだため、34%減の1億800万ドルとなった。また2013会計年度におけるNOOKの売り上げは、16.8%減の7億7600万ドルに低下した。
楽曲や書籍、その他のデジタルコンテンツの売り上げは、通年では16.2%の伸びを示したが、第4四半期の売り上げは前年同期比で8.9%の減少となった。Barnes & Nobleは第4四半期の売り上げが落ち込んだ原因の1つに、端末販売の落ち込みがあると述べている。
同社は今後、ホリデーシーズンを通じて、タブレット製品である「NOOK HD」および「NOOK HD+」の在庫を一掃する予定だという。またBarnes & Nobleは、同社の小売店における自社タブレットのサポートを継続するとともに、デジタル書店経由でのソフトウェアアップグレードも提供すると約束している。
Barnes & Nobleの最高経営責任者(CEO)であるWilliam Lynch氏は声明で「われわれは、タブレット事業においてパートナーとの提携を中心としたモデルへと移行し、諸経費を削減することで、NOOK部門の損失削減に向けた大きな1歩を踏み出そうとしている」と述べるとともに、「われわれは、目的を絞った白黒画面の電子書籍リーダー端末分野においてイノベーションを重ねていくつもりであり、デジタル形式の書籍や雑誌、新聞といったものすべてをあらゆる端末から読めるようにして、コンシューマーに提供していくというわれわれの戦略的基盤はデジタル市場に参入して以来変わっていない」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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