ヤマハは6月21日、歌声合成ソフト・ライブラリ「VOCALOID3 Library ZOLA PROJECT」の発売記念イベントを実施。そのなかで製品紹介や公式デモ曲のお披露目を行った。
ZOLA PROJECTは、音声合成ソフト「VOCALOID」製品としては初となる男性3人組の歌声ライブラリ。YUU、KYO、WILの3人の男性の声を収録し、ユニゾンやコーラスを用いた歌声の制作を簡単に実現できるのが特徴。グループで歌うことを目的としたライブラリで、3人を同時に歌わせたときに本領を発揮するとしている。ハードルが高くなっているようにも見えるが、自動的にVOCALOIDの歌声パラメータがユニゾンやコーラスに適した値に調整される専用JobPluginや入門ビデオの付属など、初心者やコーラスやユニット楽曲制作に挑戦するユーザーにも配慮している。開発にあたっては3人の声が似ないように、かつひとりだけがとがった声にならないようにと、バランスには配慮したという。
また公式デモ曲「BORDERLESS」が披露。作詞はポップスやアニメソング、アーティストの楽曲を多数手掛ける森雪之丞氏、作曲は音楽プロデューサーとしても知られる浅倉大介氏が担当。楽曲はニコニコ動画にて配信している。
イベントでは2人が登壇。VOCALOID向けに曲を書いたのは初めてという浅倉氏ではあるが「人間が歌っても気持ちよく聴こえる曲という意味では、特別なことはなく自分流で制作しました。3人の声の個性がすごく豊かなので、3人がいかにカッコよく歌い分けで魅せられるかを意識して作りました」と振り返った。また、「今のボカロPの世代はいろんなアイデアをたくさん持っているし、面白い挑戦も試みているので、それを3人でどう表現するのか楽しみ。そして音楽の新しい世界を作っていけたら」とメッセージを送った。
森氏はこの曲に対して「っ」のような促音や「ん」を多用する、実験的な作詞を行ったという。「浅倉さんのメロディがとにかくビートを流れた強さを強調したものだったので、彼らがどれだけ対応できるかを実験してみたかったんです」と意図を語った。また浅倉氏から「ぞら」を入れてほしいという要望から「そらぞらしい」のフレーズも取り入れたと明かした。また「テクニックがあって出来る表現もありますが、気持ちや遊び方、センスで作っていく表現もあると思う。この時代だから得たものもあって、みなさんがいろんな表現をしてくれたら素敵だと思います」と語った。
公式サイトでは、ボイスとイラストのマテリアルも公開。3人によるいろいろなセリフのボイスを収録したオーディオファイルルや、KEI氏などのイラストレーターが手掛けたキャラクターイラストを公開している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」