一般社団法人デジタルライフ推進協会(DLPA)は6月10日、外出先のスマートフォンから録画したテレビ番組を視聴できる「スマート視聴」を推進し、テレビ放送60周年となる2013年を「スマート視聴元年」にすると宣言した。
DLPAは、デジタルライフにおける利用者の利便性を守り、その健全な発展に寄与することを目的に2010年に設立。マルチメディアコンテンツ、特に著作権保護のデジタル放送番組視聴における利便性向上を目指し活動している。
2013年1月には、外出先から自宅のNASに保存されたデジタル放送録画番組をネットワーク経由で視聴できる「リモートアクセスガイドライン」を策定。ガイドラインはDTCP+規格に準拠されており、5月にはリモートアクセスガイドラインに準じた製品に対応ロゴを提供開始している。
DLPAの代表理事 アイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏は「リモートアクセスガイドラインに関しては、1月の時点で資料上は公表していたが、各社の動きは6月ごろに見えてくるだろうと思い、本日記者会見を開催した。会員各社は日頃はライバル同士だが、一番大切なのはユーザーの利便性。サードパーティならではの課題を解決していきたい」とDLPAの意義を話した。
発表会場では、ゲスト講演としてソニー在籍時にAV伝送機器「エアボード」「ロケーションフリー」を手がけたエムジェイアイ代表取締役の前田悟氏と、富士通ユビキタスビジネス戦略本部モバイルプロダクト統括部統括部長の林田健氏が登場。前田氏は「タイムシフトに加えプレイスシフトを実現することで、視聴スタイルの多様化ができてきたのは非常に良いこと。ただこれらの機器がヒット商品になるためには必需品になる必要がある。プレイスシフトにプラスαがあるとさらに面白い」と今後の機器のあり方を示した。
また林田氏は、スマートフォン「ARROWS」、PC「FMV」、サービス「My Cloud(マイクラウド)」と、三位一体での製品構成をアピール。インターネットを介したテレビ番組視聴をサポートしていることを紹介した。
DLPAが目指すのは録画によるタイムシフトに加え、視聴場所の制限もなくした“プレイスシフト”という考え方。この2つを実現する環境が整った2013年こそ、スマート視聴元年になるとしている。対応モデルとしては、アイ・オー・データ機器が5月に発表した「RECBOX+REMOTE」や、バッファローが同日リリースした「LS410DX」シリーズなどがすでに発表されている。
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