ブラケットは6月10日、同社が手掛けるオンラインストア構築サービス「STORES.jp」にて、商品の保管や発送を代行する「倉庫サービス」の提供を開始した。
STORES.jpは、サイト上でメールアドレスや商品などを登録することで、手軽にオンラインストアを開設できるサービス。2012年8月にサービスを開始し、3万以上のストアが開設されている。利用は決済手数料の5%を除き無料。商品登録数などの制限がなくなる有料プランも用意する。
今回の倉庫サービスでは、EC物流代行を専門とするリンクスタッフと業務提携。オンラインストアのオーナーが、ブラケットが新設する倉庫に在庫商品を送付しておけば、商品が売れる度に、ワンクリックで倉庫から対象商品が梱包され、発送される。月額利用料は無料。商品の発送時に、1回あたり梱包発送手数料250円と送料(地域により異なる)が発生する。
「Amazon.comにもフルフィルメントサービスがあるが、その簡易版と思って欲しい。ただAmazonのサービスは、慣れてしまえば当たり前の手順もかも知れないが、IDを取得したり、商品説明を付けたりと、リテラシーが低い人には利用が難しい。我々は商品を段ボールに詰めて送ってもらうだけでいい」(ブラケット代表取締役の光本勇介氏)。同社では、倉庫に届いた在庫商品の写真を撮影し、オーナーは管理画面でその写真をもとに発送の指示を出すといった独自のシステムを用意。これによって、在庫商品にIDを付与して管理するといった作業を省いているという。
5月以降だけでも、デジタルコンテンツの販売機能やプロの編集者を使った商品説明の編集サービス、伝票までを用意した集荷依頼、海外販売など、STORES.jpの新機能を矢継ぎ早にリリースしているブラケット。光本氏は今後について、「ECのカートサービスをベースにして、集荷や購買促進など、その周辺のビジネスシードはまだまだある」とする。その一方で、「ユーザーには『なんかオンラインストアって簡単』というくらいの気持ちで使ってもらえればいい」と語った。同社ではすでに有料プランに加えて、提携先とのビジネスで、収益面でも単月黒字化を実現しているという。
また、STORES.jpの競合サービスとして、BASEの提供する「BASE」も注目を集めている。前述のデジタルコンテンツの販売や集荷依頼など、STORES.jpとBASEでは、同様のサービスや機能をお互い競って追加しているような状況だ。これに対して光本氏は「市場は1社でなく、みんなで作っていくものだと考えている。また、自己中心的に言えば、戦っているのではなく、『ユーザーのためになるのではないか』と思っていることがたまたまかぶっている」としている。
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