少し前のヘッドホン市場を振り返ると、取り扱うメーカーもモデル数もまだ少なく、ましてや提供するメーカー側が音質を積極的に訴求することはなかった。しかしながら、時代とともに状況は変わり、現在ではより明確に音の方向性を訴求する手法が当たり前になっている。特に近年のブームとなっているのが重低音モデルだ。
どこからが重低音モデルに該当するのか、というはっきりした定義はないが、音楽ジャンルと合わせて大まかに捉えるなら、ベースやドラムの効いたロックやテクノ、HIPHOPなどを聴く際に相性が良く、より迫力のあるサウンドが楽しめるヘッドホンと理解していいだろう。今ではどこの量販店でも1つのコーナーとして拡販されており、しばらくこの波は続いていきそうだ。
こうした重低音モデルの中心にいるのが、オーディオテクニカの「SOLID BASS(ソリッドベース)」シリーズである。“圧倒的な低域表現”をコンセプトとして2009年に登場して以来、インナーイヤーからオーバーヘッドモデルまでさまざまなラインアップを展開してきた。そしてこの4月、型番に“X”の冠を付けた新製品、インナーイヤーヘッドホン「ATH-CKS77X」と「ATH-CKS55X」が発売されたばかりだ。5月にはiPod/iPhone/iPad専用モデル「ATH-CKS55Xi」とスマートフォン用モデル「ATH-CKS55XiS」も用意されている。ここでは、上位機種となる「ATH-CKS77X」の実力をチェックしていく。
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