サンフランシスコ発--「Linux」の推進に取り組む非営利団体のThe Linux Foundation(LF)は米国時間4月14日、当地で開催中のLinux Foundation Collaboration Summitで、オープンソースのハイパーバイザ「Xen」を開発するXen ProjectをLFの共同開発プロジェクトにするという驚くべき取り組みを発表した。
誕生から10年を迎えるオープンソースの仮想化プラットフォームのXenは、Linuxカーネルと同じようなガバナンス構造を持つThe GNU General Public License version 2(GPLv2)の下でライセンスされている。また、2007年以来、Citrix SystemsがXenを商業的にサポートしてきた。しかし、Xen Projectの協力企業が多岐にわたってきたことから、Xenでは、助言の提供や協力的なネットワークの促進が可能な中立的な場としてLFに期待している。新しいプロジェクトは、元の名前を引き継いでXen Projectとしてスタートする。
多くのユーザーはXenの存在を知らないかもしれないが、多くの人がほぼ毎日のようにXenを使っている。Xenはさまざまな仮想化プログラムの基礎となっているばかりか、多数のクラウドサービスの基盤となっているからだ。クラウドプロバイダー最大手のAmazon Web ServicesもXenを利用している。
設立メンバーとしてXen Projectに協力したり助言を与えたりすることになっている企業は、Amazon Web Services、Advanced Micro Devices(AMD)、Bromium、Calxeda、CA Technologies、Cisco Systems、Citrix Systems、Google、Intel、Oracle、サムスン、およびVerizonだ。
Citrixは引き続き重要な役割を担うことになる。同社でオープンソースソリューション担当バイスプレジデントを務めるPeder Ulander氏は次のように語っている。「LFは今後、Xen Projectが提供する多くのメリットを享受しようとしているさまざまな協力グループがこのプロジェクトを取り入れられるよう、必要な場と助言をXen Projectに提供する。われわれはXen Projectに深く関与しているが、今後も積極的に協力し、さまざまな業界の企業と協力することで、Xen Projectをさまざまな目的に利用できるように前進させることを楽しみにしている」
LFはまた、Xen Projectのコミュニティの発展をサポートするために必要な枠組みを提供するだけでなく、「Kernel-based Virtual Machine(KVM)」のフォーラムを運営してKVMのコミュニティを支援したり、プロジェクトをサポートするその他の活動を支援したりするという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」