「Apple II」のDOS開発資料--30年以上を経て公になったアップル創業期の秘話 - (page 4)

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年04月08日 07時30分
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 Appleはその契約金額で、ファイルマネージャ、整数BASICとApplesoft BASICのインターフェース、ディスクのバックアップやリカバリ、ファイルのコピーが可能なユーティリティを手にすることになっていた。

 「わたしは腰を落ち着けてプログラミングを始めた」とLaughton氏は回想する。「パンチカードにプログラムを書き、ミニコンピュータに挿入してアセンブルすると、紙テープに結果が出力された。次にそれをデバッグした」(Laughton氏)

 最近公になった資料は、Laughton氏がDigiBarnに寄贈したもので、そこにはAppleのDOSプロジェクトについての情報が豊富にある。契約書(Wozniak氏とJobs氏の両方が署名したもの)から、設計仕様書、何ページにも及ぶ回路図やコードに至るまで、シリコンバレーとAppleの歴史の宝庫だ。あるいは書類に目を通しながらDamer氏が考えたように、「信じられない、これは史上最も重要なAppleの資料かもしれない」とも言える。

 この資料を読み通していて面白い部分の1つは、Wozniak氏の書き込みでいっぱいになったページを見ることだ。結局のところこのプロジェクトは、Appleの伝説的な共同設立者であるWozniak氏が、起動ディスクを開発する方法としてLaughton氏に渡した仕様書に基づいている。そうしたありがたいもの(その価値を理解できる人にとってだが)の1つに、評価の高いWozniak氏のフロッピーディスクコントローラについて、同氏が手書きで作成した図がある。

 ソースコードの余白にも、何が起こっているのかを説明する一連のメモがある。これは真のAppleファンにとって、猫にとってのマタタビのような存在だ。Appleの6番目の社員で、このプロジェクトでShepardson Microsystemsと緊密に協力していたRandy Wigginton氏はこの資料に目を通し、「ページ境界をまたいではならない」というコメントを目にして、「そういえば、ページ境界を越えると6502チップに余分なサイクルが追加されるのだった」と話した。

 Wigginton氏は米CNETに対して電子メールで次のように説明した。「6502チップは、すべてがきっちり256バイトの『ページ境界』におさまるようになっていた。タイミングについて厳密でなければならないコードを書く場合には、ページ境界をまたぐことに注意しなければならない。さもなければ、プロセッサによって余分な1サイクルが消費される。それゆえにWozniak氏は『ページ境界をまたいではならない』というメモを自分のコードに残しているのだ」

 4月に69歳を迎えたLaughton氏にとって、Appleの最も重要なプロジェクトの1つで重要な役割を果たせたことは、自らのキャリアの中で輝かしい出来事だった。1978年にはすでに、Appleは特別な企業だとLaughton氏には分かっていた。それはとりわけ「Apple IIの設計と、ディスクドライブインターフェースカードの設計の中に、Wozniak氏のたぐいまれな能力」を認めたからだ。

 Laughton氏には、自らのAppleへの貢献を振り返る機会も数多くあった。「時折その話題になって、Apple IIを持っていたという人に出くわすと、そのDOSを書いたのはわたしだ、と言ったものだ。すると相手はわたしがAppleで働いていたのだろうと考えて、『かなり稼いだのだろうね』などと言ってくる」(Laughton氏)

 しかし実際には、当時Laughton氏がShepardsonで働いて稼いでいたのは、年に3万5000ドルほどだった。もし自分がWozniak氏とJobs氏の直接の部下だったら、Appleの株でどれほど稼げたのかということをLaughton氏は知っている。しかし1978年にはAppleは新興企業の1つに過ぎなかったし、Laughton氏はShepardsonのたくさんのクライアントのためにソフトウェアを書くという堅実な仕事を楽しんでいた。

 さらにLaughton氏はこう振り返った。「Wozniak氏と話してみたら、彼の給料がわたしよりも低かったのを覚えている」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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