かつての世界最速スパコン「Roadrunner」が引退

Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年04月01日 12時18分

 「Roadrunner」は4年前、世界最速スーパーコンピュータの座に君臨していた。しかし今日の最高速機種にはかなわなくなっており、解体に向けて米国時間3月31日に停止されることになった。

 Roadrunnerは、米国が備蓄する核兵器を管理するために2008年に作られたIBM製スーパーコンピュータだ。ロスアラモス国立研究所に導入されて間もなく、世界で初めて1ペタフロップス(1ペタフロップスは1秒間に1000兆回の浮動小数点演算を実行する速度)の壁を超える1.026ペタフロップスを記録した。Roadrunnerはその後、スーパーコンピュータトップ500ランキングの首位を3回飾ることになった。

 Roadrunnerは5年間の稼働期間中、国家核安全保障局(NNSA)の先端シミュレーションとコンピューティングプログラムの「原動力」として、核管理計画のための重要なコンピュータシミュレーションを実現した。


Roadrunner
提供:ロスアラモス国立研究所

 NNSAの核管理計画担当次官補代理Chris Deeney氏は声明で「Roadrunnerは核管理計画を実証していた。素晴らしいチームによる、先進的なコンピューティングアーキテクチャと複雑なコードの統合によって、安全かつセキュアで効果的な抑止力が確保された」と述べるとともに「Roadrunnerとその成功のおかげで、われわれは地下核実験に頼ることなく核管理の近代化を推し進めつつ、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野におけるテクノロジの変化にうまく対応できた」と述べている。

 IBMのブレードサーバ「BladeCenter QS22」と、Advanced Micro Devices(AMD)の「x86」チップをベースにして、1億2100万ドルをかけて構築されたRoadrunnerは、世界最初のハイブリッドスーパーコンピュータであった。Roadrunnerは合計で冷蔵庫サイズのサーバラックを278台占有し、AMDのデュアルコアプロセッサ「Opteron」6562個と、ソニーの「PlayStation 3」に搭載されているプロセッサの拡張版である「Cell Broadband Engine」プロセッサ1万2240個を組み合わせている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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