サイバーエージェントの連結子会社であるシロクは4月3日、iOS向けアバターサービス「Pipul(ピプル)」の提供を開始した。
Pipulはアバターを作成し、そのアバターを通じてユーザー同士でリアルタイムなコミュニケーションをしたり、仮想通貨の「コイン」を使ってアバターのファッションや部屋のインテリアなどを自分好みにカスタマイズしたりできるスマートフォン向けサービスだ。サービス開始を記念して、ファッションアイテムを1カ月間無料で提供する。
また、シロクが提供する写真共有アプリ「My365」とアカウントを連携。My365にアップロードした思い出の写真を閲覧することもできる。
シロクと言えば、サイバーエージェントの内定者らが学生時代にアプリ開発者コンテストで発表したアプリであるMy365を運営するべく、同社代表取締役社長CEOの藤田晋氏の号令のもとで2011年12月に設立された子会社だ。
My365のダウンロード数はiOS、Android合わせて250万件以上。月に200万枚の写真がアップロードされるほか、写真をもとに友人とのコミュニケーションを取るユーザーも多く、1枚の写真に対するコメント数が多いことも特徴になっているという。「1日1枚しかアップできない仕様によって、写真を起点にした関係ができている。写真加工のフィルタなどより、生態系そのものを評価してもらっている」(シロク代表取締役社長の飯塚勇太氏)
企業向けの公式アカウントやタイアップ型のフィルタを提供するなど、広告商品を開発しており、実際にクライアントはついている。だが飯塚氏は「やっと売れてきたが、まだ満足するような状態ではない。サービスを伸ばすということは学生の時からやっていたが、それをビジネスとして昇華させるのはやはり難しい」と語る。
そこで次の一手として提供するのが新サービスのPipulだ。Pipulでは、My365のアカウントと連携することで、My365の友人関係をそのまま持ち込むことができる。ここでMy365ユーザー間のコミュニケーションを活性化させ、アバター向けのアイテムや将来的にはゲームなどを導入し、課金での収益化を狙うという。
一方で気になるのが、サイバーエージェントが提供する「アメーバピグ」との競合だ。サイバーエージェントは、グループ間で競合にもなり得るサービスを提供することはこれまで多々あったが、飯塚氏はあまりグループ内競合という意識はないのだという。「ピグはPCに最適化しているが、サイバーエージェントのスマートフォン戦略自体はブラウザに振っている。我々としては、ピグがPCでとった立ち位置をスマートフォンのネイティブアプリで取っていければいい」(飯塚氏)。
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