スパム対策団体Spamhausは、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を先週から受けていることを明らかにした。各種団体に通常仕掛けられる攻撃の数倍の規模の攻撃だという。Spamhausは、世界中の電子メールプロバイダーと提携してスパムの受信をブロックする活動に取り組む団体だ。
Spamhausは、世界中へのスパム送信が目的だと同団体がみなすサーバのブラックリストを管理している。同団体は最近、オランダのウェブホスティング企業Cyberbunkerをこのブラックリストに追加した。Cyberbunkerという社名は、NATOのバンカー(軍事用の格納庫)だった場所に本社があることに由来する。Cyberbunkerは、顧客が匿名性を維持できるようにしており、児童ポルノやテロ関連活動に従事していない限り、ありとあらゆる顧客を受け入れることによって事業を確立した。
Spamhausの広報担当者はThe New York Timesに対し、米国時間3月27日に掲載された声明で、同社を標的とする大規模なDDoS攻撃が19日に始まったと述べた。それ以来継続中のこの攻撃は、通常のDDoS攻撃とはやや異なるという。攻撃者らは先週、最大で300Gbpsにも達する攻撃をSpamhausに仕掛けてきたという。その規模は、銀行など強力な防御策を講じるサイトをダウンさせることを目的とする類似の攻撃の6倍にも及ぶ。
攻撃は、SpamhausのDNSサーバを標的としている。これらのサーバは、通常のウェブアドレスをインターネットで認識可能な数値情報に変換する、インターネットの基盤インフラに接続している。そのため、各種報道によると、インターネット全体にわたって一部のサービスの速度低下が生じているという。攻撃によって、膨大な量のデータがDNSに送信されているためだ。
この攻撃について既に報じ、Spamhausの話を聞いたBBCによると、Netflixの速度が低下しており、継続中の攻撃によってサイト全体の速度が低下するか、アクセス不能になる可能性があるという。Spamhausは、大規模なDNSサーバシステムと各社の支援によりサービスを維持できている。Googleもその1つで、負荷の一部を負担するという支援を提供している。
一方、Cyberbunkerは、この攻撃への関与を認めていないが、Spamhausは同社が関与していると考えている。またSpamhausは、東欧とロシアの「犯罪組織」もこの攻撃に関与していると主張している。
米CNETは現在、Cyberbunkerにコメントを求めているが、まだ回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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