それでは、Appleは何をしているのだろうか。Appleがうわさの「iWatch」の開発に取り組んでいる、と同社の関係者が実際に公式に発言したことは一度もない。しかし、この1カ月の間に影響力のあるさまざまな報道機関にもたらされた一連のリーク情報は、何かが開発されていることを示唆している。そして、ニッチな製品を大衆化する方法を考え出してきたAppleの歴史(とテクノロジを自己主張のためのファッションに変える才能)は、同社から出てくるものに注目する十分な理由になる。
Appleは、参入すれば、ソニーやGarminのような大企業、Martianのような小規模企業と競争することになる。Martianは電子メールや携帯電話アラートからヘルスおよびフィットネスモニタリングまで、さまざまな機能を持つ腕時計を提供している。
Martianのマーケティング担当ディレクターであるPamela Niemi氏によると、デジタルではなくアナログを採用するという同社の決定は、テクノロジ対ファッションの議論における意図的なトレードオフだったという。スマートウォッチでよく見られる、ファッション性のない不格好さを克服するために、Martianは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイをスクロールする小さな線状の画面に制限し、腕時計の文字盤の下部に配置した。
同社は別の問題も克服する必要があった。最先端の家電製品を購入しそうな人は、おそらくスマートフォンで時間を確認できるようになって以来、腕時計を身に付けるのを止めてしまった人でもある。そうした人たちに訴求するには、どうすればいいのだろうか。
「彼らにとって、腕時計はレトロな感じのするものだ」とNiemi氏は述べた。そして、Martianはそのレトロはクールだという感性に賭けている。
レトロは魅力的かもしれないが、スマートウォッチがメインストリームになるためには、ほかにもいくつか条件がある。米CNETのScott Stein記者は「iWatch」に求められる9つの項目についての記事を執筆した。Stein記者が最初に求めたのは、バッテリ持続時間の改善だ。現行のスマートウォッチの多くは、約8時間しかバッテリが持続しない。
しかし、それは画期的なテクノロジが登場しなくても解決可能な問題でもある、とGartnerのリサーチ担当ディレクターであるMichael Gartenberg氏は述べた。
「それは、バッテリ持続時間の問題というよりも、むしろ期待と行動を改めるように消費者を教育するという問題だ。少し前までは、消費者は携帯電話に1回の充電で数日間はバッテリが持続することを期待していた。今日では、大半のデバイスはバッテリが丸1日しか持続しないということが受け入れられている。そして、ユーザーが日中にデバイスを『フル充電』することも珍しい行動ではない」(Gartenberg氏)
Gartenberg氏の意見はおそらく正しい。しかし、最初にスマートウォッチを購入する消費者は、自分が行動を改めなければならないということを受け入れる前に、新しい製品の明白な実用性を見出す必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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