多数の新しい分野別トップレベルインターネットドメイン名を管理しようとするAmazonの動きが、2つの出版業界団体からの非難を浴びている。
米作家協会(Authors Guild)と米国出版社協会(Association of American Publishers:AAP)は、「.book」「.author」「.read」で終わるいわゆる分野別トップレベルドメイン(gTLD)を管理しようとするインターネット小売大手Amazonの計画に対し、競争阻害の影響を与え得るとして反対の意向を示している。
「そのような汎用ドメインを民間企業に与えることは、既に支配的な地位にあり、十分な資本を持つ企業に、市場勢力の拡大と確保を許す行為であり、明らかに非競争的である」とAuthors Guildの代表であるScott Turow氏はInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)宛ての書簡に記した。「濫用の可能性は無限であると思われる」(Turow氏)
Amazonに競合するBarnes & Noble(B&N)もこの計画に反対しており、ICANNへの書簡の中で、AmazonはgTLDを管理する同社の地位を利用して、「書籍販売および出版業界における競争を抑圧することになり、それは米国における著作権で保護された表現の将来を脅かす」と主張した。
B&Nはさらに、「AmazonによるそれらのgTLDの所有は、インターネットのオープン性と自由をも脅かし、世界中のインターネットユーザーに有害な結果をもたらす恐れがある」と付け加えた。
米CNETはAmazonにコメントを求めたが、本稿掲載時点で回答は得られていない。
Amazonは、インターネット史上最大の争奪戦とされているドメイン管理を狙う最大手企業の1社である。ICANNは、財力と技術的知識を有する任意の組織に対し、gTLDを運用する権利を申請できるようにした。ICANNは2013年中に、多数の新規アドレスを提供開始する見込みである。
Amazonは、「.amazon」「.kindle」に加えて、「.free」「.like」「.game」「.shop」も申請している。同社は合計で76件のgTLDの管理を申請しているが、そのうち30件は他社と競合しており、同社の管理下にはならない可能性がある。Googleは101件のgTLDを申請しており、その中にはAmazonと同じ名称のアドレスが23件含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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