日立マクセルの最新カナル型ヘッドホン2種を徹底検証--洗練されたバランスタイプ - (page 3)

ジャンルを問わない、優等生過ぎないクリアなサウンド

  • 迷うことなく、耳に向かってそのまま真っ直ぐに装着して収まる。日常使いではかなり需要ポイントだ。密閉感も高い

 試聴環境としては、プレーヤーに「iPod classic(160Gバイト)」を使用。ビットレートは128kbpsで音質はフラットのままと、ごく一般的なスタイルで聴いてみる。

 ロックから、定番のエリック・クラプトン「Change the World」。イントロから落ち着きのある音色が入ってくる。ギターの運指がつまびらかに聴けるなど細やかな表現もしっかりこなす。ボーカルは気持ち控えめになるが、クリアな音場で曲の世界観とマッチしている。

 エレクトロから、日本のアニメでも使用されたジュノ・リアクター「GUARDIAN ANGEL」。低域を無理なく張り出さず、しかしながら熱のこもった空間を感じさせてくれる。後半からのさらなる盛り上がりもやりすぎることなく、躍動感はキープ。メリハリを出しつつも、崩れない安定感のあるサウンドと言える。

 女性ボーカルから、こちらも定番のノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」。音色は極めてナチュラル。高音がやや厳しめになる箇所もあるが、総じて聴きやすく、サウンドに身を委ねられる。ピアノなどの楽器は、空気感を損なわない程度に明るめ。優しさと丁寧さを合わせたような印象だ。

 HIPHOPから、エミネム&リアーナの大ヒット曲「Love the Way You Lie」。女性ボーカルが極めて伸びやかでクリア。男性ボーカルもしっかり立つことで、細やかなSE音がかき消される場面もあるが、最後まで力強いサウンドが耳に入ってくる。騒々しすぎないテンションでしっかり曲を楽しめる。

 上記以外にもさまざまな音源で聴いてみたが、まとめるとしたらオールジャンルに対応できるバランスタイプという印象。ギター中心のバンドサウンドなどもキレ良く聴こえるのでおすすめだ。苦手なジャンルは特になく、ずっと聴いていられる自然な音色。かと言って優等生的な、決してもの足りない音ではない。伸びやかで安定感のある低域や、ボーカルや楽器における中高域の明瞭さはこのクラスとしては十二分と言っていいだろう。

 このあたりはまさにデュアルチャンバー設計の効果であり、新形状イヤピースへと繰り出される音質追求の表れだ。同社のシンボルマーク「m」を冠するにふさわしいモデルに仕上がったRF500、RF500Sの優れたサウンドを是非試してほしい。

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