3Dプリンタがあまりにも高価または技術的に複雑と思うなら、WobbleWorksの3D印刷ペン「3Doodler」は、予算的にも利用者に対しても優しい代替品となるようだ。また、同製品は大変楽しそうにも見える。
3Doodlerの背景には、3Dプリンタのコア機能(主に押出機と熱源)をペン型ハンドヘルドデバイスに組み込むというアイデアがある。従来の3Dプリンタで一般的な材料であるABSまたはPLA樹脂が充填された3Doodlerは、3次元空間でオブジェクトをフリーハンドで描くことで、そのオブジェクトを樹脂で「印刷」できる。
2011年創設のロボット玩具メーカーWobbleWorksが考案した3Doodlerは米国時間2月19日、Kickstarterのキャンペーンが資金集めのゴールである3万ドルに数時間で達したことで注目を集めるようになった。このプロジェクトは19日の時点で、キャンペーンを33日残して15万ドルを1700人以上の支援者から集めている。
このように多数の支援者を得たため、3Doodlerの最初のラウンドでは、50ドルの応募枠で既に募集が締め切られている。19日の時点で75ドルの枠は1600台分が残っていた。より高額な99ドル以上の枠では、ペンに加えて予備の印刷材料などのおまけを含んでおり、1000ドル以上の枠では設計上のフィードバックが可能となっている。
3Doodlerのさまざまな使用例の一部として、Kickstarterのページは、既存の樹脂製オブジェクトのカスタマイズ、簡単な修正、ステンシルを使ったより詳細な描画などを紹介している。フリーハンドのペンでは、通常の3Dプリンタで可能なエンジニアレベルの精度は恐らく得られないだろう。しかし、WobbleWorksは、3Doodlerで使うためのダウンロード可能なステンシルをユーザーが交換し合う、大規模なコミュニティーを想定している。
3mmのノズルを備える3Doodlerは、既製のフィラメントが利用可能で、複数の温度設定によりPLAおよびABS樹脂を使うことができる。ノズルの温度が270度に達することから子どものおもちゃではない。しかし、必要なのはコンセントだけで、コンピュータ、そして、デザインファイル保存用のSDカードさえも不要なため、3Doodlerは、3D印刷を体験することに興味がある人たちに向けて、新しいレベルの入手しやすさや使いやすさを提示することになるだろう。
最初のラウンドの3Doodlerペンは、高額枠応募者や早い応募によって50ドル枠を確保できた人たちに向けて9月に出荷されるとKickstarterページは述べている。75ドル、99ドル、125ドル枠に対しては、出荷が10月になるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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