I3研究所、プロジェクタ向けの映像クリエーション技術を開発--HDから4Kへ

 I3(アイキューブド)研究所は、HD映像から4K映像を創造する大画面映像クリエーション技術「ISVC(Intelligent Spectacle Vision Creation)」を開発したと発表した。プロジェクタ向けの高画質技術として提供していく。

 I3研究所では、2011年に4K液晶テレビ向けの「ICC LSI」を開発。2012年12月にはシャープ製の4Kテレビ「ICC PURIOS(アイシーシー ピュリオス) LC-60HQ10」として製品発表されている。

  • ICCとISVCの違い

 ICCが60V型液晶テレビ用だったのに対し、ISVCはより大きな画面に対応できることが特徴。ホームシアターからパブリックビューイングまで、様々なスクリーンサイズで映像空間クリエーションが体験できるとしている。


I3研究所代表取締役の近藤哲二郎氏

 通常4Kテレビやプロジェクタでは、HD解像度の映像を視聴する際、4K解像度へと画素変換する必要がある。各社独自の「超解像」処理を施して、4K映像へとアップコンバートしているのが一般的だが、ISVCでは実際その場にいるのと同様の光刺激を提示する独自の「光クリエーション技術」を採用。これにより映像の透明感を創り出す。I3研究所代表取締役の近藤哲二郎氏によれば、ISVCによって創り出された映像は「人間の脳への負荷も低減する」と言う。

 光クリエーション技術による映像変換はICC LSIと同等の技術だが、ISVCでは新たに大型スクリーンに映像を投影した時の映像の基本的な構図をしっかりと創り出し、画面全体で存在感、広がり感を表現できるとのこと。被写体の細部の光景も現実の構図に則り忠実に創り出すことで、被写体の世界に入り込んだような感動をもたらすとしている。

 現時点で製品化は未定。ICC同様にパートナー企業を募り、共同研究開発を進めて行きたいとしている。

  • 160インチ画面でのデモ。左が超解像度処理画面、右がISVC画面

  • 200インチでのデモ。BDソフトに超解像度処理(左)したものと、ISVC処理をしたもの(右)。映像協力:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

  • 450インチでのデモ。通常の画素変換からISVC画面へと切り替えた

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