dts Japanは1月31日、2013年度事業戦略説明会を開催した。DTS採用デバイスの現状や2013年のブランド戦略などについて、米DTSの会長兼CEOのJon E.Kirchner(ジョン・カーシュナー)氏とdts Japan代表取締役社長の小玉章文氏が説明した。
カーシュナー氏は、1993年に映画館のサラウンドとして登場後、1997年にはホームシアター機器に採用され、2004年にはBDの標準規格となったDTSの軌跡を紹介。現在は、AVアンプなどの単品コンポ、PC、スマートフォン、カーオーディオ、テレビといった20億台以上の機器にDTSが採用されていると現状を話した。
続けて「ヘッドホンにおけるサウンドエクスペリエンスを提供する」とし、「2013 International CES」内で披露した「DTS Headphone:X」を紹介した。これはヘッドホンで最大11.1chのサラウンドサウンドを再生できるバーチャルサラウンドソリューションで、自分の周りをスピーカの音が取り巻いているように聞こえることが特長。説明会場でも実際にDTS Headphone:Xを聞くことができ、dts Japanによると米国外では初披露になったとしている。
一方小玉氏は、日本におけるブランド戦略を軸に今後の取り組みについて話した。DTSは2012年にSRS Labsを買収。それに対し小玉氏は「全米でテレビのポストプロセッシングでシェアを持つSRS LabsとDTSのコーデックがあわさって、サウンドソリューションの会社として新たな位置づけができた」と話す。
新たなスタートを切る中で、dts Japanが目指すのは最先端の音響技術を日本の家電メーカーや住宅メーターに紹介し、提供すること。「海外でも競争力ある日本製品をサポートしていきたい」と言う。
dts Japanでは、同日にパナソニックが北米で発売するプラズマテレビ「ZT60/VT60/ST60/S60/X60」シリーズに、DTSのデコーディング機能が採用されたことを発表している。ただ、こうした取り組みを続けていくためにDTSブランドの確立は不可欠とし、2013年は新たなブランド戦略を推進していく。その一つが巨大トレーラーを改造した移動スタジオだ。これは「DTSプレミアムサウンドトレーラー」と名付けられ、音楽フェスなど各地のイベントに出展予定。すでに2012年夏の「Summer Sonic 2012 大阪」にてトライアルで出展しており、約1300人のユーザーがDTSサウンドを体験したという。
直近では2月23~24日に北海道札幌市の「札幌ドーム」で開催されるスノーボードの国際競技会「TOYOTA BIG AIR 2013」にサウンドトレーラーを展開するとのこと。トレーラー内では「DTS Neo:X」など、最新のDTSサラウンドが試聴可能だ。
「“音を売る”のは非常に難しい。いくら説明しても聞いてもらわなければわからない。その問題を解決するため東京オフィス内に試聴用のスタジオを用意した。こちらはライセンシーさま、業界の人々向けに、サウンドトレーラーは、エンドユーザー向けに展開していくことで、DTSのプレミアムサウンドを作っていきたい」と今後の取り組みを話した。
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