NTTドコモは1月30日、2013年3月期第3四半期(2012年4~12月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6.2%増の3兆3707億9500万円、営業利益は同5.6%減の7021億8000万円、純利益は同5.5増の4164億8600万円となった。「月々サポート」やMOUの減少により音声収入が減少したものの、スマートフォン販売の拡大にともなうXiサービス契約者の増加などによりパケット通信収入が増加した。
第3四半期(10~12月)のスマートフォンの販売数は325万台で、スマートフォン販売総数は1月6日時点で1000万台を突破した。競合他社が「iPhone 5」を発売した2012年10月以降、契約者の純増数、MNPともに悪化が続いていたが、冬モデルを投入した12月以降は回復傾向にあるという。ただし「我々が望むレベルにはまだ回復していない」(NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏)という。
冬モデルでは、特に「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」(シャープ製)と「Xperia AX SO-01E」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)が人気で、AQUOS PHONE ZETAは発売2カ月で約44万台、Xperia AXは発売2カ月で約47万台を販売している。春モデルについては、主力機種であるスマートフォン「Xperia Z SO-02E」とタブレット「Xperia Tablet Z SO-03E」を積極的に訴求することで春商戦に臨みたいとした。
高速通信サービス「Xi」の契約数は1月9日時点で当初の計画を上回る900万契約を超えた。6月には下り最大112.5Mbpsの通信サービスを50都市で利用可能にする予定で、2013年度中に150Mbpsのサービスを提供する予定。下り最大75Mbpsの基地局も6月には1万局まで増設する。
ドコモ直営のコンテンツストアである「dマーケット」も好調で、動画配信サービス「dビデオ」は1月14日時点で370万契約を突破。コンシェルジュサービス「しゃべってコンシェル」は1月27日時点で2億8000万回利用されているという。
また12月19日にオープンしたECサイト「dショッピング」は1月27日時点で約150万人がアクセスしており、購入単価は1回につき約3500円となっている。ドコモは同日、ファッションECサイト「MAGASEEK」への株式公開買付け(TOB)を発表しており、今後はさらに商材を拡大するとしている。
加藤氏は今期の業績について「営業利益見通しである8200億円の達成に向けて、スマートフォンユーザー基盤は順調に拡大しており、一定の成果が表れた決算だと思っている。しかし、競争状況は依然として厳しく引き続き危機感をもって経営にあたる必要性を強く感じている」とコメント。
競争力を取り戻すための施策として「スマートフォンシフトの加速」「デバイス×ネットワーク×サービスによる総合力の強化」「経営体質の強化に向けたコスト効率化や構造改革」などを挙げ、「できるだけ早期に本年度の当初の利益目標であった9000億円に再挑戦したい」と意気込んだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス