大手TVネットワーク3社によって設立された動画サービス「Hulu」の最高経営責任者(CEO)として高い評価を受けてきたJason Kilar氏が米国時間1月4日、2013年4月に入る前に辞任する意向を明らかにした。
Kilar氏はHuluのブログ投稿で、「控えめに言っても、わたしにとってこのメールを書くことも、送付することもどちらも辛いことだった。わたしはこの第1四半期にHuluを去ることにした。現在、取締役会と協力し、この移行に対応すべく十分な準備ができるようにしているところだ」と述べた。
Kilar氏は、最高技術責任者(CTO)を務めるRich Tom氏も同時にHuluを去ることを明らかにした。Huluは、NBC Universal、Fox、Disneyが所有していることから資金的には恵まれているが、これら出資企業はしばらくの間、同社のためにそれほど尽力していないように見えた。近年においてHuluは、Netflixにシェアを奪われている。
Kilar氏の辞任について、その有無でなく時期について憶測が出始めたのは2年前のことだ。同氏とHuluを所有するメディア企業3社の間で生じた明らかな不和は大きくなり、そのことが公になったのは、Kilar氏がこれら企業のウェブ配信戦略の一部に同意できないことをブログ投稿で記したときだ。
それ以来、Huluの競争力は弱まっている。ライバルのNetflixはウェブ動画レンタルを掌握しており、Amazonも消費者へのより優れたサービス提供でHuluを上回った感がある。Huluの有料サブスクリプションサービス「Hulu Plus」について大きな不満となっているのは、料金が競合サービスとほぼ同額であるにもかかわらず、動画にコマーシャルが含まれている点である。
Kilar氏は当初、Huluの大ヒットに貢献した。同社はプロが製作したコンテンツをインターネットでストリーミングするサービスを最初に提供した企業の1つであり、視聴者に愛されていた。NBCやFoxからお気に入りの番組を自分のノートPCやPC上で視聴するために、多くのユーザーがHuluに飛びついた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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