Eコマースの巨大企業Amazonは、自らの事業戦略において重要と考える全ての分野において、今後もその圧倒的な勢いを維持するとみられる。2013年の同社に関する筆者の予測トップ5を以下に記す。
Amazonはこの数年、サービスの整備に取り組んできた。具体的には、より多くのフルフィルメントセンターを開設したほか、自らのコンテンツを広める手段としてハードウェアを発売し、さらにはオリジナルコンテンツをリリースするために製作スタジオへも資金を投じた。2012年には満足のいかない業績を発表することもあったが、2013年にはこれらのプロジェクトに対する投資が成果を生み始めるだろう。新しいサービスおよび製品に多額の資金を投入し、その後で大きな利益を得るのは、Amazonの典型的なサイクルだ。
映画およびテレビ番組のストリーミングサービスにおいて、AmazonとNetflixは2012年を通じて競い合い、互いにさらに多くの作品をラインナップに追加するとともに、けん制もした。Amazonの作品ライブラリは現時点でかなりの数に達しており、同社にとって次の課題は、動画ストリーミングサービスの存在を顧客に認知してもらうことになる。Netflixの顧客の乗り換えを促すために、2013年はさらなるマーケティング活動が必要となるだろう。
Eコマース企業といえども売り上げにかかる州税を永遠に避けることはできないという現実を受け入れ、Amazonはより多くの州でフルフィルメントセンターを積極的に開設していくだろう。Amazonは既に新たなセンターを米国各地に設置しているが、だからと言ってこれで打ち止めということにはならないはずだ。センターを増やせば、Amazonは品物の発送にかかる時間と費用を節約できる。Amazonは既に2013年について、カリフォルニア州、テキサス州、ニュージャージー州で新センターの建設を決めている。次はメイン州とフロリダ州が候補となるかもしれない。
消費者向けの事業を展開するあらゆる企業にとって、南米市場は巨大なビジネスチャンスだ。ブラジルにデータセンターを設立したAmazonも例外ではない。同社は2012年を通じてブラジルでの展開を試み、12月初めには同国で「Kindle」ストアを開設した。2013年は南米市場への拡大を積極的に進めることになりそうだ。
登場が期待されながら、2012年のAmazonのハードウェアラインナップに欠けていた唯一の製品はスマートフォンだ。Amazonブランドのスマートフォンが発売されるとの予測が、多くのうわさを呼んだ時期もあった。Amazonの最高経営責任者(CEO)を務めるJeff Bezos氏は、Amazonのコンテンツを消費者の手に届けるためにハードウェアを販売していくとの意図を明確にした。Amazonはタブレット製品について、このビジネスモデルに従った。つまり、こうした製品を利益ために販売するのではなく、コンテンツの配信のためにハードウェアを販売するというモデルだ。携帯トラフィック経由の利用が消費者の間で主流となりつつある状況の中で、スマートフォンはAmazonにとって重要なハードウェアになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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