シニア層、全体の4割強が最新ITツールに関心--操作しやすさを優先

 矢野経済研究所は12月19日、全国の60代を中心としたシニア層の男女1000人(男性500人、女性500人)を対象にした「IT情報端末に関するアンケート調査」の結果を発表した。

 シニア層が趣味として最も多く挙げたのは「旅行」で61.8%、以下「パソコン」(59.6%)、「園芸・庭いじり・ガーデニング」(35.3%)、「読書」(35.1%)、「運動・スポーツ」(26.5%)、「映画」(26.4%)という結果となった(複数回答)。インドアかアウトドアを問わず多岐にわたる趣味を持つことが明らかになった。

 2013年にチャレンジしたいことがあると回答したシニア層(574人)に何にチャレンジしたいかを尋ねたところ(複数回答)、「旅行」(43.6%)や「運動・スポーツ」(29.4%)、「園芸・庭いじり・ガーデニング」(22.8%)とともに、シニア層は一般的に苦手意識をもつとされる「スマートフォン・タブレット端末などの最新ITツール」(26.8%)が上位に挙がった。

 ネットを利用する頻度(単数回答)は「ほぼ毎日(週5日以上)」が93.9%と、9割が日常的にネットを利用。ネットを使うことで生活が便利になっているか(単数回答)という質問では、「非常に便利になっている」(44.9%)と「便利になっている」(45.6%)を合わせて9割のシニアがネットの利便性を実感していることがわかった。

 ネットの利用目的(複数回答)をみると「情報収集(検索)」(92.7%)が最多。次いで「メール」(86.7%)、「ネットショッピング(買い物)」(77.7%)、「ネットバンキング(銀行)」(56.0%)、「価格比較サイト・評価サイト」(49.5%)と続く。

 最新のITツールに対する関心度(単数回答)については、「とても関心がある」(7.4%)と「関心がある」(36.3%)を合わせて4割強(43.7%)のシニア層が高い関心を示した。一方で「どちらでもない」も4割弱(37.6%)存在する。現時点で身近にあるPCなどの情報端末とは異なり、最新のITツールの利便性や活用方法などがまだ十分に認識されていないのかもしれないと説明している。

 今後、欲しいと思っている最新ITツール(複数回答)は「スマートフォン」(41.0%)、「タブレット端末」(30.2%)、「スマートテレビ」(17.0%)、「電子書籍端末」(13.9%)という結果に。商品を購入する際の選択基準(単数回答)は「操作のしやすさ」(57.6%)が最も高く、次いで「機能が豊富」(19.0%)、「デザイン」(14.7%)、「ブランド」(5.9%)だった。

 調査はネットアンケート形式で実施されたため、調査対象のシニアは、一般のシニアよりもPCやネットの活用に積極的であると考えられるが、調査結果からは、情報収集やメール、ネットショッピングをはじめ、多様なネットサービスを日常的に活用しているシニア層の姿が窺えるとしている。

 多様な趣味を持ち、アクティブに行動するシニア層にとって、ネットは情報収集や情報交換の手段の一つとして重視されていると説明。事実、調査結果からはシニア層の9割がネットの利便性を実感していることが示されており、最新IT端末に対しても全体の4割強が関心を示している。こうしたシニア層ではIT端末を活用したライフスタイルも形成されつつあると分析している。

 一方で、やはり操作のしやすさはシニア層にとっては最も重視されるものであり、最新ITツールを含めた商品購入時には、多機能やデザイン、ブランドよりも実際の使い勝手の良さが優先されると説明している。

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