博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所は11月27日、全国47都道府県に住む生活者の主要6メディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、PCネット、携帯ネット)に対する接触状況を分析した「全国47都道府県メディア接触分析」を発表した。
分析では、全国47都道府県の生活者のメディア接触パターンを(1)カントリーマス、(2)ラジエリアン、(3)テレビラバーズ、(4)アベレージニッポン、(5)ネットシチズン――という5通りに分類。近年、ソーシャルメディアやスマートフォンなどの普及により大きく変化している生活者のメディア接触状況は、全国で均一に変化が進んでいるわけではなく、地域によって特徴が分かれることを明らかにした。
(1)のカントリーマスは、テレビや新聞の愛好層でメディア総接触時間も比較的長い。北海道、青森県、岩手県、山形県、群馬県、新潟県、山梨県、長野県、熊本県、宮崎県、鹿児島県といった広大な土地と豊かな自然に恵まれた道県が中心。年齢は50~60代男女が多く、農林漁業の比率が高い。
カントリーマスは「世の中の動きを分かりやすく伝える」のは新聞という傾向があり、新しい製品などの入手媒体はテレビとなっている。ネットやPCに対する意識、情報感度は全般的に低いという。フリーペーパーや折込チラシを高く評価していると分析している。
(2)のラジエリアンは、沖縄県に特有の傾向で、鉄道がほとんどなく移動手段が車に限られるため、すべてのパターンの中でラジオの利用時間が最も長い。友人からのクチコミ情報が情報入手経路として重要視される。
ラジエリアンのメディアに対する評価として、普段の生活に欠かせないのはラジオであり、国内外の政治や経済の動向の入手媒体はラジオのほかに、友人や知人からのクチコミ情報となっている。
(3)のテレビラバーズは、メディア接触の中心がテレビで、ラジオやネットの利用は少ない。秋田県、福島県、栃木県、富山県、福井県、岐阜県、静岡県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県という比較的自然が豊かで、人口減少傾向のエリアが中心。人口下位6県が集中している。年齢では50~60代が多く、ブルーカラーの比率が高い。PCの接触時間が全グループで一番短いという。
(4)のアベレージニッポンは、PCネットと携帯ネットの接触が東京に続いて長いが、傾向は全体平均に近い。東京に次ぐ大都市や政令指定都市を多く有する府県で、宮城県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、香川県、福岡県となっている。
他グループと比較して主婦率が一番高く、東京の次にホワイトカラー率が高い。PCや携帯でのネットに高い評価をしており、知りたいことが詳しく分かるのはネットと位置付けている。
(5)のネットシチズンは、東京都に特有の傾向。メディアの総接触時間が長く、PCと携帯のネット利用時間が突出して長い。雑誌接触時間も比較的長い。テレビやラジオの接触時間は短め。他グループと比較してホワイトカラーや専門自営業、経営管理職の割合が高い。
ネットシチズンのメディアに対する評価としては、普段の生活に欠かせないのがPCでのネットであり、場所や時間を選ばないメディアとして携帯でのネットを位置付けている。新しい製品などの入手媒体としてPCでのネットを利用している。屋外広告や交通広告にも高い評価をしているという。
調査は、全国47都道府県の15~69歳男女を対象。2011年10月に実施されたビデオリサーチの「全国新聞総合調査(J-READ)」のデータをもとに県別にクラスタ分析を実施したもの。標本数は2万8859件。
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