一方、新製品のもうひとつのバージョンアップのポイントは、スマートフォンへの対応だ。iPhoneやiPad、Android端末向けに専用アプリを用意し、スマホをマイク代わりに利用できる。
公式に提供されているアプリは2種類。まずは、「Dragon Remote Microphone」はスマートフォンをワイヤレスのリモートマイクとして利用できるアプリだ。Wi-Fi経由でドラゴンスピーチがスマホを認識し、マイク代わりに音声を認識。無線LAN経由なのでネットワーク環境が悪いところでは接続が不安定だが、Wi-Fi経由なので遠く離れた場所にあるスマートフォンから音声入力できたり音声操作できたりするのがおもしろい。
同様に「Dragon Recorder」は、ICレコーダ代わりにスマホに音声を録音し、録音したデータを転送し、テキスト化ができる。ICレコーダとは異なり、一見すると電話で話しているように音声を録音できるので、外出先でも人目を憚らずに実行できるのがありがたい。最近では、iPhoneの「Siri」などスマートフォンの音声認識がすっかり一般化したものの、長い文章の場合にはこうした専用ソフトのほうが断然使い勝手も精度もいい。
結論として、本ソフトの主な用途としては、タイピング代わりの音声入力が最適だろう。多くの人が求めているような、講演録や議事録等の自動テープ起こしには、まだまだ課題が多くて実用的には使えない。そもそも本ソフトは複数人の音声入力と認識を想定したものではなく、プロファイルを作成した声の本人による音声データのテキスト化が前提。テープ起こしも不可能ではないが、事前にプロファイルの作成ができたり、録音環境などかなりの条件を満たしていないと、実用レベルでの精度の高い音声認識は難しい。
とはいえ、発表者の声のサンプルを事前に登録しておき、議事録の作成に導入している自治体もあるとのことなので、会議や議事録には適しているかもしれない。どんな人の声もどんな状況の録音データもある程度の精度で認識し文字化してくれるという理想のソフトではないが、条件に適した使い方をすれば驚くほどの認識率の高さなので、タイピング入力の代わりに音声で入力するためのソフトを導入したい人には間違いなくオススメ。例えば数字や英単語のスペルなどを延々と読み上げて記録したい場合などにも重宝するソフトとなるはずだ。
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