ディー・エヌ・エー(DeNA)は11月6日、2012年度第2四半期(6月~9月)決算を発表した。売上収益は503億円(前年同期比45%増)、営業利益は204億円(同38%増)、四半期利益は201億円(同48%増)となった(同社は今期より国際会計基準(IFRS)を採用しており、前年同期の業績に関してはIFRS基準で再計算したもの)。前四半期に起こったコンプガチャ騒動を受けて健全化を進める中で増収増益を実現したほか、海外展開もいよいよ本格化してきた。
ソーシャルメディア事業においては、アイテム課金やゲーム内広告などを中心としたゲーム関連の売上が増加。コンプガチャに関するガイドライン等に対応しつつも、ブラウザゲームを中心に仮想通貨「モバコイン」の消費量は増加。継続的にサービスを改善し、プロモーション施策を進めた結果、「ガンダムカードコレクション」「神撃のバハムート」の2タイトルのゲームに関しては、9月に過去最高のコイン消費を実現した。また9月には、スマートフォンでのモバコイン消費が、フィーチャーフォンでのモバコイン消費を上回ったという。
また、米国をはじめ中国、韓国などで展開する海外のMobageについては、第2四半期のモバコイン消費額が3000万ドルを超えたと説明。神撃のバハムートの海外版となる「Ragege of Bahamut」がコイン消費をけん引したほか、新タイトルの人気も上がっているという。海外事業に関しては、第3四半期にモバコインの消費額2倍、第4四半期にも黒字化すると見込む。海外展開に関しては、審査なしでアプリマーケットにアプリを提供できるAndroidを優先。サービスの品質を向上させた上でiOSへの展開を図るとした。
スマートフォンユーザーの拡大にともない、ブラウザとネイティブアプリ、どちらでタイトルを提供するかという話題がある。同日開催された決算説明会で、DeNA代表取締役社長の守安功氏は「スマートフォンではアプリが主流になるという論調があったが、Mobageは大部分がブラウザベース。引き続き拡大する。その一方でアプリの利用も拡大しており、そこは新たな成長機会ととらえる。双方ともにポテンシャルがある」と説明。これに独自プラットフォームである「ngCore」を加えた三本柱でタイトルを拡大するとした。
また決算では、コミュニケーションサービス「comm」についても説明がなされた。守安氏はまず、サービス開始時の規約の説明不足などを謝罪した上で、あらためて「実名制」と「クローズド」というサービスの特徴を説明した。
すでに世界7000万ユーザーを超えて先行するNHN Japanのコミュニケーションサービス「LINE」について「ニックネームを使ったクローズドなコミュニケーション」(守安氏)と語った上で、「実名かつクローズドなサービスはまだ登場していない。ここでナンバーワンになれる可能性がある」(守安氏)とした。将来的にはDeNAの各サービスへ送客するためのユーザー基盤として目指すとし、今後はマーケティングにも予算を投下していく見込みだ。
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