海上気象観測ロボット、巨大ハリケーン襲来にも無傷で航行

Tim Hornyak (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2012年11月09日 15時20分
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 ハリケーン「サンディ」は家屋や自動車、船舶を破壊し、約200億ドルの被害を生んだ。しかし、あるロボットは、そのメーカーによると嵐の中でも無傷で航行を続けたという。

 Liquid Roboticsによると、同社の海上ロボット「Wave Glider」の1つである「Mercury」は、サンディが襲来した時、米ニュージャージー州トムズリバーの東の沖合100マイル(約161km)の辺りを航行していたが、その後も作動を続けたという。

 Mercuryは最大70ノット(風速35m/秒)の強風に耐え、ハリケーンに関するリアルタイムの気象データの送信を続けた。


「Fontaine Maru」と名付けられた1機のWave Gliderは、サンフランシスコを出発後ハワイに向けて進んでいるところが確認されている。
提供:Liquid Robotics

 Liquid RoboticsのJoanne Masters氏は、「Mercuryのサンディとの戦いで素晴らしかった点は、サンディが(最も弱い)カテゴリ1のハリケーンだったのにもかかわらず、Mercuryが風圧や気圧の情報を10分置きに送り続けたことだ」と言う。また、「リアルタイムの気象データを海上や海洋の最上層部から提供できることにより、科学者がより正確にハリケーンの強度を計測および予測するのに役立つ。このことは、人命救助や、器物損壊の防止に貢献するだろう」としている。

 Wave Gliderロボットは自動で観測する機械で、海洋の波を使って前進する。2つの部分で構成されており、1つは「float」と呼ばれる海上に出る部分、もう1つは「sub」と呼ばれる海中に沈む部分だ。subに備えられた可動式の羽根が、波のエネルギーを前方への推進力に変えている。

 Wave Gliderは、GPS、ARMプロセッサ、ナビゲーションソフトウェア、それに多くの環境センサを搭載しており、価格は17万5000ドルから。これまでに150機以上が生産された。

 Liquid Roboticsの最高経営責任者(CEO)であるBill Vass氏は声明で、「われわれはWave Gliderの技術をハリケーンや台風、津波の予測向上に活用して人命や器物へのリスクを軽減する一助となるべく、世界中の科学者と密に協働している」と述べている。

 一方、この1年間に2組のWave Gliderが、サンフランシスコからそれぞれオーストラリアと日本に向けて太平洋を渡り、さまざまなデータを収集している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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