Rettyがグリーベンチャーズなどから1億円を調達--海外版も開始へ

岩本有平 (編集部)2012年10月12日 15時00分

 Rettyは10月12日、グリーベンチャーズ、NTTインベストメント・パートナーズ、三菱UFJキャピタルの3社を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額は3社合わせて約1億円。

 Rettyは2010年11月の設立。2011年5月より、ソーシャルグルメサービス「Retty」を運営している。このサービスは、自分が行った飲食店の情報を投稿してFacebookやRetty上の友人らと共有したり、友人が投稿した飲食店の情報に、Facebookの「いいね!」に相当する「行きたい」を押すことで、飲食店のをリスト化できるというものだ。

 現在登録されている飲食店は約9万店舗、口コミは25万件に上る。利用にはFacebookのアカウントが必要なため、「実名で投稿された口コミをここまで持っているサービスは少ない」(Retty代表取締役の武田和也氏)。またユーザーの4割が飲食店情報を投稿しているのも特徴だという。

 ユーザーの投稿には「Excellent」「Good」「Normal」「Bad」の4段階評価をつけられる。一方で、店舗ごとにその評価を集約するといったことはしない。「Rettyのコンセプトとして『友達に勧める』ということがある。友達に飲食店を勧めるときに『この店は悪い店』と言って紹介したりはしない。批評ではなく、いいお店の情報が入る仕組みを作っている」(武田氏)。

 ウェブで飲食店を探すサービスを振り返ると、まず「ぐるなび」のように店舗側から発信するサービスが登場し、その次に「食べログ」のように不特定多数のユーザーによる評価をもとにしたサービスが登場してきた。Rettyがねらうのはその次の段階、ソーシャルグラフ上でつながる人々の評価をもとに飲食店を探すサービスだ。

 現在のユーザー数は9万人。ユーザーの8割は30代以上。一定の所得があり、積極的に外食をするユーザーが中心だ。2011年11月にiPhoneアプリを、12月にAndroidアプリをそれぞれ公開しているが、アプリ経由でのアクセスが8割を占めているという。中でもiPhoneの割合が大きい。

 増資の発表にあわせて海外向けにもサービスを展開する。PCに限定して、英語で米国とシンガポール向けにサービスを提供する。当面は海外拠点を置かず、国内から施策を行うという。「日本でもそうだったが、最初に口コミが広がるには時間がかかる。まずはニーズをキャッチしていく段階」(武田氏)


米国とシンガポール向けに提供する英語版「Retty」

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