マウスがなくなる日は来るか--利用が広がる外付けタッチパッド - (page 2)

Dan Ackerman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年10月05日 07時30分

 左ボタンと右ボタン、スクロールホイール、1つの光学センサ(保守的な人の場合はトラックボール)を備えたコンピュータマウスはこの何年か、ほとんど変わっていない。変化したことといえばUSB(さらにさかのぼればPS/2)ケーブルがワイヤレスのドングルやBluetoothになったことくらいだ。いくつかのモデルでは表面にタッチセンサが付いたり、側面にボタンが追加されたりしているが、基本的なコンセプトは同じで、われわれがマウス以外のハイテクなデバイスを操作する方法との落差はますます大きくなっている。

 数年前、Appleの「iPad」が最初に発表されたときに筆者が指摘したように(「Death of the mouse」(マウスの死)という物議を醸した記事があった)、われわれは数年にわたって、タッチを主要なユーザーインターフェースとして使うように人々をそれとなく諭してきた。最初はノートPCのタッチパッド、その後はタッチスクリーンの携帯電話およびタブレット、やがては任天堂の「Wii U」を通してリビングルームのビデオゲームコンソールで、といった具合だ。このシナリオでは従来のマウスは蚊帳の外である。

 ノートPCの場合、このことは特に重要になる。ノートPCと内蔵のタッチパッドを外出先で使った後、自宅やオフィスのデスクでノートPCを入力デバイスに接続することを想像してみてほしい。マウスに切り替えるのが一般的だが、これは特別にスムーズな切り替えというわけではない。外付けのスタンドアロンタッチパッドに接続し、それに切り替える方がはるかに自然だろう。

 現在、ほぼすべてのノートPCがマルチフィンガージェスチャーに対応していることを考えると、特にそう言える。現在のところ、この件に関して最高の仕事をしてきたのはAppleだが、Windows 8は強力なライバルになるだろう。そして、筆者が実施したさまざまな実機検証からは、Windows 8は意図的にマウスのない未来を想定して設計されているように思えた。

 自分の好きなゲームやアプリケーションではマウスの高速で正確な動きが欠かせない、という怒りのコメントが大量に届くのを防ぐために、筆者はその意見に全面的に同意する、と言っておこう。現在のところ、1人称視点のシューティングゲームや「Photoshop」のレタッチングは、マウスを使った方が快適に操作できる。しかし、ここで重要なのは、将来のゲームやアプリケーションはタッチスクリーンやタッチパッドを想定して構築されるだろう、ということだ。現在でも、大半の新作PCゲームはゲームパッドのサポートを念頭に置いて構築されている。そして、アートや編集のプログラムで、最大10の同時入力ができることの利点は誰もが認めるだろう。

 新しいスタンドアロンタッチパッドの多くはまだ正式に発表またはリリースされていない近未来の製品だが、現在、極めて大きな成果を上げている例が1つある。おかしな名前が付いたAppleのMagic Trackpadだ。1日のおよそ半分は「MacBook」を使っている筆者は、「OS X」ノートブックに接続するデスクトップマウスを見限って、タッチパッドだけを使うようになった(ワイヤレスキーボードと一緒に使っている)。

 実験として始めたことが、1日も経たないうちに完全に自然に感じられるようになった。なぜなら筆者は、ノートブックを使っているときも、デスクに座っているときも、全く同じマルチタッチジェスチャーとショートカットを使っているからだ(筆者の同僚のScott Stein記者も、スタンドアロンタッチパッド愛好家連盟のメンバーである)。

 ほかのPCメーカーやアクセサリ企業が2012年中に仲間に加わる準備を進める中で、AppleとHP、Vizioが今知っているのは、タッチパッドが定着しつつあり、マウスはますます旧式のデバイスになろうとしているということだ。

 HPの「Spectre One」のタッチパッド。
HPの「Spectre One」のタッチパッド。
提供:Dan Ackerman/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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