マガシーク、ECサイトを一新し“セレクトショップ”に--井上社長に狙いを聞く

 マガシークは9月20日、同社の運営するファッションECサイト「MAGASEEK」のPCサイトを全面リニューアルした。スマートフォンサイトも10月中にリニューアルする予定。今回のリニューアルに併せてコーポレートロゴも刷新している。

  • リニューアル後の「MAGASEEK」トップページ

 リニューアルではレコメンド機能を強化し、閲覧履歴からユーザーの好みにあった商品や企画を判断して、トップページに表示する。また、ページデザインも商品画像を中心に構成することで、ユーザーは“自分だけのショーウィンドウ”を眺めているかのような感覚で、買い物を楽しめるようになった。

 さらに、気になる商品にチェックをつけてリスト化できる機能を搭載したほか、商品のレビューやコメントを投稿できる機能も実装。買い物をしたり、レビューを書くごとにスコアが貯まり、ランクが上がっていく会員制度も導入し、今後はランクに応じてポイント付与率が変化したり、シークレットセールなどにも招待されるという。

 2000年のサービス開始から12年目を迎え、取り扱いブランド数も約800弱にまで増加しているMAGASEEK。いまやファッションECサイトの中では老舗ともいえる同社が、サイトの全面リニューアルに踏み切った狙いは何だろうか。マガシーク代表取締役社長の井上直也氏に聞いた。

――まずは、サイトをリニューアルするにいたった経緯を教えて下さい。

 MAGASEEKは12年目に入りましたが、ファッションECの世界はこれまで以上に競争が激しくなってきていますし、どんどんユーザーのニーズも変わってきています。そのため今後を見据えて、業界の一歩先を行くインターフェースを作りたいという思いがありました。

 我々は、雑誌に載った商品が買えるサービスとしてMAGASEEKを始めましたが、いまでは従来ほど雑誌の影響力もなくなってきています。そうなると、顧客がどんなサービスだったら洋服を買うときに楽しいのか、まず真っ先に見ていただけるサービスとは何なのかと考えたときに、これまでようなのサイトではなく、見れば見るほど自分の色に染まっていくような、新しいタイプのサイトが必要だと考えまして、それを実現しようというのが今回のプロジェクトです。


マガシーク代表取締役社長の井上直也氏

――競争が激化しているとのことですが、サービス開始からの約10年間で、ファッションEC業界はどのように変化してきたと感じていますか。

 (サービス開始から)最初の5年くらいはまだ物珍しいというか、雑誌で紹介された商品だけが売れたりと、網羅的に売れている状況ではなかったように感じます。また、以前はものすごく雑誌を読まれているコアなユーザーも多かったのですが、直近の5年くらいはかなり裾野が広がってきて、特に若い方を中心にネットで買うことにどんどん抵抗が薄れてきていると感じています。水やDVDなんかをネットで買ってきた方が、徐々に「洋服もネットで買えたら便利だよね」という意識に変わってきているのではないでしょうか。

 洋服自体に対する考え方もこの10年で変わってきたと思います。10年前はクオリティの高いものを選別して、一度買ったら長い間着るという方が多かったと思いますが、途中でファストファッションが入ってきたことなどもあり、最近では1シーズンだけ着れればいいと、シーズンごとに買う方も増えています。また20代前後の若い方などは、若干大き目のサイズだったりと、サイズが多少合わなくてもいいという方も増えています。このあたりは、ファッションECにとっては追い風だと思っています。

――従来に比べてファッションECを展開しやすい環境が整いつつあるということですね。そうなるとこれまで以上に競合が増えてくることも予想されますが、今回のリニューアルはそれらのサイトとの差別化の目的もあるのでしょうか。

 そうですね。やはり売っている商品を特別安くするわけにもいかないですし、送料やポイントなどがあっても決定的な差別化要因にはなりません。であれば、そのサイトにきていただいて、サイト内を回遊していただくこと自体を楽しんでいただく。あるいは自分に一番あっているサイトだと強く感じていただけることが大切だと思いました。

――今回はどこに重点を置いてリニューアルしたのでしょうか。

 リニューアルのコンセプトは“自分のためのセレクトショップ”です。これまではトップページ上に5つのスクロール画面がありまして、そこで特集を組んでいたのですが、これはどの方が見ても同じものが見えていました。今回のリニューアルからはその特集枠がなくなりまして、ユーザーの趣味趣好に合わせて、たくさんの商品画像がちりばめられるようになりました。

 トップページは3部構成になっていまして、1枚はユーザー向けにカスタマイズされたページ、2枚目と3枚目には、我々がいま売りたい商品や、新しく追加されたブランドなどが表示されるようになります。自分の興味のある商品とともに、新たなトレンドやブランドも発見できるサイトにできればと思います。

――新サイトでは、文字をほとんど使用していない、ビジュアルを強調したトップページのデザインが印象的です。

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