どれほど無理だと思えても、必ず突破口はあると信じて、挑み続ける。富士通の熱い人々と卓越した技術が起こす奇跡のような物語。本書には、彼らが成し遂げた事実だけでなく、底知れぬパワーの源、不屈の精神、他を圧倒する能力が何なのか、考えさせられる要素が凝縮されている。
全部で8つのプロジェクトが、本書では取りあげられている。どのプロジェクトにも、困難を乗り越え、決して諦めなかった富士通人が登場する。世界一となったスーパーコンピュータ「京」、世界最高を目指した株式売買システム「アローヘッド」、世界最大級の光学赤外線望遠鏡「すばる望遠鏡」など、列挙しただけでも規模の大きさが分かるだろう。技術そのものも素晴らしいが、そこには必ず多くの「人」が関わっており、全員が目標あるいは夢を追い続けた結果が、世界トップレベルという成果だ。
仕事に自信と誇りを持ち、難題にも挑戦し、解決する。文字にすると、簡単なことのように見えてしまう。弱気になったり、心が折れそうになっても諦めない強さは、やはり、周囲の人の助けや支えがあってのことだろう。本書を読み終えたとき、その富士通人同士の心の絆が見えたような気がした。
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