その他、明らかになったスペックは以下の通り。
・EarPods:これまでのおなじみのイヤホンに代わって、新しいイヤホン「EarPod」がiPhone、iPod touchに付属する。形もユニークで、2つの開口部があるイヤホンは、「部屋の中で座り、高品質のスピーカーに耳を傾けている人が聴くサウンド」を目指しているという。
・ノイズキャンセリングマイク:これまで2つでノイズキャンセルをしていたマイクだったが、今回は底面、表面、裏面の3カ所に搭載され、FaceTimeやハンズフリー通話の際の操作性が向上している。
・FaceTimeカメラ:インカメラが720pに対応し、FaceTime HDを行えるようになった。またFaceTimeは、Wi-Fi以外のデータ通信にも対応した。
iPhoneに関しては、これまで以上に事前に情報が流れ、今までのAppleイベントにあったワクワク感は失われつつある。その一方で、Appleにとっては、絶対に売上を伸ばさなければならない、失敗が許されないプロダクトにもなっていることも事実だ。そうした意味で、これまでAppleが発表してきた、100万台、300万台、1000万台という台数におけるマイルストーンを達成するタイミングや、顧客からの評価について、引き続き注視していく必要がある。
他方で、Appleならではの「統合」について、CEOのTim Cook氏はイベントの最後に指摘していた。Google・Androidプラットホームの未成熟な部分や、Androidバージョンやメーカーによる分断によって、自由な反面で顧客が求める統合感覚は薄い。iPhone、iCloud、iOS 6にMacを加えた「組み合わせの成熟」は、これまでのApp Storeやドキュメント、カレンダーやスケジュールなどから今回、iTunes、Passbook、Facebook対応へとコマを進めている。
ハードウェア、ソフトウェア、プラットホームの統合が、iPhone 5を「リアル連携」という、ユーザーの生活の中で欲しい便利な機能を、テクノロジーを意識せずに使いこなすことができるようになるところへリーチしようとしている。例えば、SiriとPassbookがそれに当たるし、新たにApple独自の地図を採用したナビ機能を強化したマップアプリもこれに当たる。
一方で、特に米国外に住んでいるユーザーにとっては、米国内での体験が、きちんと自分の国でも体験できるようになるのかについて注視しておく必要がありそうだ。例えば、新しい地図はきちんと日本での都市で、3D表示できるのか、ナビの機能はどうなのか。Passbookできちんと財布は薄くなるのか。既存のドコモなどが進めてきたケータイによる生活連携を引き継げるのか。引き続き、お伝えしていきたい。
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