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「社長もコードを書いている」--モノづくり至上主義のコロプラがクリエイターに求めるもの

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 この連載では、企業の技術者採用担当者とそこで活躍するウェブクリエイターへの取材を通じて、優秀なクリエイターを企業がどう惹きつけるか、またビジネスで必要とされるクリエイターとはどのような人物なのかを明らかにしていく。

 第4回は位置情報ゲームサービスを運営するコロプラ。同社は位置情報とエンターテインメントを掛け合わせた“位置ゲー”のはしりとして独自のポジションを確立し、「コロニーな生活」などのヒット作を生みだしてきた。また5月31日~6月6日には、リアルの物産展「日本全国すぐれモノ市」を開催し話題になった。

 今回は、コロプラで取締役副社長を務める千葉功太郎氏と、入社したばかりのプログラマー須田氏、同社の代表作「秘宝探偵キャリー」のメインデザイナーである秋川氏に話を聞いた。


コロプラ取締役副社長の千葉功太郎氏

ウェブクリエイションにおける3つのユニークネス

 ゲームからリアルイベントまで幅広く展開し、他のソーシャルゲーム会社とは一線を画すコロプラは、2008年10月に代表取締役社長の馬場功淳氏が1人で起業。現在4年目にして、社員150名にまで拡大した成長企業だ。

 コロプラでは全社員の約7割がクリエイター職。昨年比で3倍というハイペースでデザイナー、プログラマー、ディレクターを採用しているという。しかし、人事採用を統括する千葉氏は「それでもクリエイターの不足を感じている」と話す。それだけ好調であり、事業を加速させていきたいということだ。

 クリエイター採用の策については、どの企業も試行錯誤しているが、コロプラが注力しているのは「技術的なアプローチ」だ。同社は技術面について3つのユニークネスを持ち合わせている。


千葉氏

 1つ目は、技術に関する独自のアプローチ。コロプラはフロントエンドにおいて、JavaScript、HTML5、CSS3でネイティブアプリと遜色ない表現のものを作るという、かなりハイエンドな技術選択も1つのアプローチとして行っている。「HTML5で世界最高のゲームを作りたい」――千葉氏は同社の開発力に強い自信を持っており、このビジョンと併せて今後発信していくという。

 2つ目は、技術に関する社風。千葉氏は「日本のITベンチャーは文系役員が多いんです。それに比べるとうちはシリコンバレー的。肩書きがついている人もついていない人もコードを書きます。だから“プログラマー35歳引退説”もありません。コロプラは、会社で活躍している人ほど技術力が高くなる構造になっています。いまも社長がメインコーダーとして担当するゲームタイトルがあります。社長もマネジャーエンジニアも、技術力とクリエイティブ力でチームを引っ張っていかないといけません」と語る。

 3つ目は、開発スタイル。「うちでは企画書、仕様書を作りません。アイデアを即プロトタイプ化し、レビューする。これを毎日繰り返すアジャイル風な進め方を行っています。業務の8~9割がコードを書く仕事です」と千葉氏。これほどまでに技術力が求められる社風であれば、短期間で技術を身につけることができるのではないだろうか。

求められるのは「本当にモノづくりが好き」なこと

 実際にコロプラで働くクリエイターに採用状況を聞いてみた。「秘宝探偵キャリー」を担当している須田氏は、コロプラに入ってまだ3週間目のプログラマーだ。

 採用面接では「ゲームを作るにあたって、こういった攻撃力、防御力をもったキャラクターを作れと言われたら、どうやって作りますか?」といった、かなり実践に近いケーススタディや、「C言語を使えるとのことですが、では“ポインタ”とはなんですか?」といった、知識レベルを問う質問が矢継ぎ早に飛んだそうだ。

 また、前職での仕事内容だけでなく、オフの時間の制作実績についても聞かれたという。須田氏は趣味で開発し、過去5000~6000ダウンロードされたAndroidアプリの実績が評価され、採用にいたった。

  • コロプラの社内。全社員の約7割がクリエイター職

 「秘宝探偵キャリー」の立ち上げ直後からメインデザイナーを務める秋川氏は、元々は旅行パンフレットのグラフィックデザインを行っていた。秋川氏自身はソーシャルゲームとの接点はなかったそうだが、普段ゲームをやらない友人たちがコロプラのゲームで遊んでいるのを知って、「これはおもしそうだな」と惹かれたそうだ。

 面接では前職で制作した旅行パンフレットを見せたそうだが、当時の面接担当者の心にはあまり刺さらなかった様子。しかし、学生時代に趣味で制作した作品のポートフォリオを見せたところ、担当者の表情が一変。「自分の純粋なセンスやスキルを評価してくれた」ことを受け、入社を決めた。

 この2人に共通していることは、仕事と趣味の境目なく「モノづくりが好きである」ということ。千葉氏は「コードを書くことが好きか、モノを作ることが好きか。直近1年で仕事、趣味を問わず、何も作っていないひとはNGです」と語り、採用プロセスでは、徹底的にこの点を重視していると強調する。

 また、スキルはまだ即戦力になるレベルでなくてもポテンシャルがあれば採用する方針とのこと。「ポテンシャルは、モノを作ることが好きかどうか。そして、素直さで判断します。素直であるかどうかが、成長の余力を決めます」(千葉氏)。同社のクリエイターには、技術力と同じかそれ以上に、モノづくりに対する意欲を求められるようだ。

 最後に千葉氏からクリエイターへのメッセージをもらった。「スマートフォンで世界一のゲームカンパニーになるという夢を一緒に形にしましょう」。コロプラは毎月増えていく仲間と世界の頂点を目指す。

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