この連載では、企業のクリエイター採用担当者とそこで活躍するウェブクリエイターに話を聞くことで、双方に求められることとはなにかを探っていく。
第2回はサイバーエージェントだ。同社は、直近でスマートフォン向けのモバイル向けサービスに注力しており、11月末までに計38個のスマホ向けオリジナルサービスを提供すると発表している。
その宣言を具現化すべく、開発力補強を急ピッチで進めている人事本部 技術人事室 シニアマネージャーの大八木晋平氏と、同社で働くクリエイターである、アメーバ事業本部 ソーシャルゲームディビジョン ディベロップメントグループの岸康治氏に話を聞いた。
サイバーエージェントは、7月18日時点で連結2400名の社員が在籍し、そのうち4割がクリエイター職。エンジニアとデザイナーの比率は半々だ。
クリエイターは前年比2倍ペースで増えており、2011年9月から今までに300名ほど補強された。主にクリエイターの採用を強化しているのは、スマートフォン向けのモバイル向けサービス開発を担うネットビジネス総合事業本部。制作をアウトソースすることなく、コンテンツやサービスを作っていきたい方針があるためだ。
それでも、「慢性的にクリエイターは不足している」と大八木氏は話す。それは「世の中には、そもそもBtoCのウェブサービスに携わっているクリエイターが少ない」という現状があるからだという。同社はそのような課題を解決すべく、さまざまな施策にチャレンジし、その度にウェブをにぎわせてきた。まさにウェブクリエイター採用におけるパイオニア的存在だ。
たとえば5月に発表したのが「コード採用」。2014年度新卒採用エンジニア職において、特定のテーマに対し同社が最も多くのプロジェクトに使用しているプログラミング言語Javaを使用してプログラムを組み、ソースコードを提出するだけで、面接なしで内定を決定する採用方法だ。
また直近話題になったものでは「シェアハウス」がある。エンジニア・クリエイター職の社員を対象にしたシェアハウスを2012年12月に開設し、就業時間外でも入居者が互いに刺激し合い、個人のスキルアップを図れる場を作るという。ウェブクリエイター獲得合戦の様相を呈している業界で、クリエイターの目を引きそうなものばかりだ。
そんなサイバーエージェントのユニークな採用施策に「エンジニアアカデミー」や「クリエイティブアカデミー」がある。これは、ウェブクリエイターのスキルアップを支援し、未来のネットサービスを創るエンジニア・クリエイターを育成するプログラム。参加者は、無料のプログラムを受講した後に、課題の提出、面接を経て内定が与えられる、いわば初心者・中級者向けのポテンシャル採用だ。
2012年1月から3月にかけては、Javaを活用したサーバサイドウェブアプリ開発をテーマにした講座を実施。8月からはHTML5、CSS3、JavaScriptを活用したアプリ開発をテーマにした講座を開催する。
クリエイターの岸氏は、Flash・ActionScriptのスキルアップを目指す「Flashデベロッパー養成講座」に参加。そのまま、サイバーエージェントに入社することになった。
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