スカパーJSATは、2013年3月期第1四半期(2012年4〜6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.1%増の390億円、営業利益は同14.8%減の50億円となり、増収減益となった。有料多チャンネル事業は順調に推移したものの、2011年の東日本大震災により需要が急増した宇宙・衛星事業の収益が平年並みに戻ったことが要因だ。
売上高で前年同期比8.7%増の284億円となった有料多チャンネル事業では、新規加入件数が16万5000件、純増数が1万7000件を記録し、ともに前年同期比を上回る結果となった。加入者一人あたりの契約料にあたる支払い単価は前年同様の3223円をキープしながら、SAC(単価)は2万6000円に抑えており、スカパーJSATホールディングス代表取締役社長の高田真治氏は「過去に例のない低い数字で効率的に加入獲得ができた」と報告した。
ただし「最重要課題」と位置づける解約率は、1.5%と前年に比べ0.1ポイント上昇した。これについては「お客様とのコミュニケーションレベルを上げ、強力に進めていく」とし「スカパー!サービス」の抜本的改革を推し進める。
改革のキーワードとして挙げられたのは「わかりやすさ」。「スカパー!e2、スカパー!HD、スカパー!光など、のサービスを提供しているが、お客様に最もわかりやすいのは『スカパー!全部見られます』と言うこと。そうした入り口を確保した上で、お客様の環境に合わせた提案をしていくのがいいのではないかと思っている。そのためサービス名もワンブランド化して、シンプルでわかりやすいコミュニケーションにしたいと思っている」と現状の考えを示す。
また量販店などにおけるサービス加入促進については「エアコンや冷蔵庫などの白物家電をお客様のご自宅に設置に行かれた時にコミュニケーションしていただくなど、テレビ売り場にとどまらない方法でアピールしていきたい」と新たな取り組みを話した。
スカパー!では、2011年にBSスカパー!を開局し、同年度の加入者増に大きく寄与した。開局から1年は無料で視聴できることも人気の要因となっているが、10月以降の加入料については「基本的には有料放送の認定だが、現状から大きく形を変えず10月以降も運営していきたい」とした。
一方、売上高が前年同期比6.4減の134億円となった宇宙・衛星事業では、衛星携帯電話「IsatPhone Pro(アイサットフォン・プロ)」を日本国内でもサービス開始することを7月に発表。8月上旬からはNTTドコモでも取り扱いが開始されるとしている。
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