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クリエイターの採用基準は徹底的に「人間性」--ZOZOTOWNのスタートトゥデイ

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 この連載では、企業の技術者採用担当者とそこで活躍するウェブクリエイターへの取材を通じて、優秀なクリエイターを企業がどう惹きつけるか、またビジネスで必要とされるクリエイターとはどのような人物なのかを明らかにしていく。

 第3回は、日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ。同社の売上高は2010年度から2倍近く伸び、2015年度で9500億円規模(出典:矢野経済研究所)へ成長すると予測されている衣料品EC市場で成長を続けている。9月には同社として初となる、一般消費者向けの合同ファッション展示会「ZOZOCOLLE(ゾゾコレ)」を幕張メッセで開催し、さらに攻勢をかける構えだ。

 2011年度の商品取扱高802億円、また現在の会員数453万人(2012年6月度)というメガECサイトを支える、創造開発本部 WEBクリエイション部の高橋智也氏と、想像戦略室 人自EFMブロックの梶田悠氏に、ウェブクリエイターが働く場としてのスタートトゥデイについて聞いた。


スタートトゥデイ 創造開発本部 WEBクリエイション部の高橋智也氏(左)と、想像戦略室 人自EFMブロックの梶田悠氏(右)

サービスへの共感に基づいたユーザーオリエンテッドな開発

 同社のスタッフ数は、アルバイトも含めて約800名、そのうちクリエイター職は数十名だ。現在は、2~3カ月に1名のペースでクリエイターを採用している。会員数が増えるごとにユーザーからの要望も増えるため、自然と社内のクリエイター比率も高くなってきているそうだ。

 高橋氏は中途採用で入社したクリエイターのひとり。広告代理店の社内システム担当を経て、2011年の4月に入社。ユーザーとしてZOZOTOWNにはほとんど訪れたことがなかったが、「BtoCのサービスに携わりたい」という気持ちが高まったこと、また同社代表取締役である前澤友作氏の「人生の多くの時間は会社にいるから、好きなひとと好きなことをしたほうがいい」という仕事に対するスタンスに共感し、入社を決めたそうだ。


創造開発本部 WEBクリエイション部の高橋智也氏

 高橋氏が所属する部署はZOZOTOWNのサイト全体を管轄しており、「ユーザーエクスペリエンスの最適化」というミッション、そして「コンバージョンレートの目標値」をKPIとして担い、ユーザーからの声をもとにサイトを改良している。たとえば「お気に入りショップ」という機能。これはユーザーが好きなショップをブックマークできる機能で、お目当てのショップがあるユーザーの検索効率を上げることができる。

 実はこの「お気に入りショップ」は、ユーザーからではなく社員からあがってきた要望をもとに作られた機能。それだけ、スタートトゥデイの社員の多くが、同時にZOZOTOWNのファンであり、ユーザーでもあることが伺える。自分たちが作っているサービスに対する共感度合いが大きい印象を持った。

クリエイターの採用基準は「ありのままの人間性」

 「ほかのIT系企業と比べたときに、技術力よりも“何のためにやるか”“だれとやるか”を大切にしています」――そう梶田氏が言う通り、スタートトゥデイはクリエイターの「人間性」を重視している。「BtoCのサービスなので、スタッフが思っていることはお客様にもそのまま伝わる気がするんです」。これは、ウェブを通じて、顧客と向き合う同社ならではの肌感覚だ。


想像戦略室 人自EFMブロックの梶田悠氏

 高橋氏は面接で「彼女はいますか?」と聞かれたのだとか。ほかにも、「家族のことをどう思っているか?」「自分の子どもになにを伝えたいか?」など、突然聞かれると、答えに詰まってしまうような直球な質問が飛び交うらしい。高橋氏は「こんなひとたちと働けたらおもしろいだろうな」とその相性の良さを感じたそうだ。

 面接の様子からも分かる通り、スタートトゥデイはクリエイターを採用するために、徹底的に「ありのままの人間性」を重視している。その理由について梶田氏は「入社してどんなスキルが身につくのかということだけで選んでもらうことは難しい。企業としての理念や創業者の思いなどに共感して選んでもらえることが、働き続けてもらうために大切なこと」と語る。

 人間性を重視する社風もあってか、同社が働きやすい会社であることは離職率や社内結婚の頻度にもあらわれている。ちなみに、認識しているだけでも社内カップルは44組、社内結婚は12組にも上るそうだ。人間性のいいスタッフが多く、クリエイターが安心して開発の仕事に打ち込める環境という証拠ではないだろうか。

 即戦力になるウェブクリエイターが注目を集めているが、採用の本来の目的は「企業の成長」であり「クリエイターの成長」でもある。技術力の高さ、開発スピードは、あくまでもそのための手段であることを思い出すことができた。

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