ジャパンベンチャーリサーチ(JVR)は7月30日、同社が保有する資本政策データベースをもとに作成した、2012年上半期までの国内未公開ベンチャー企業の資金調達状況をまとめたレポートを発表した。
レポートによると、リーマンショック以降、資金を調達した企業数と資金調達額は大きく減少し、近年も低迷が続いているが、2010年と2011年でほぼ横ばいでの推移となり、下げ止まりの様相も見えてきたという。
1社あたりの資金調達額(中央値)は、大きく落ち込んだ2009年以降は上昇を続けており、2012年は現時点では参考値ながらも上昇傾向がみられる。
資金調達ランキング上位30社の業種別シェアをみると、近年はIT関連企業が増加しており、IT関連企業以外でネットにフォーカスした事業を展開している企業まであわせると、2011年は約半数の16社、2012年は6月末までの上半期では21社と7割に達した。
一方でバイオ/ヘルスケア関連企業は、2007年に30社中17社を占めたのをピークに10社前後となっていたが、2011年には5社へ減少し、2012年は上半期の時点で1社のみのランクインとなっている。
各年に資金を調達した企業のうち、設立から1年以内のシードステージ企業の割合を件数ベースでみると、2011年に急激な増加がみられ、中でもIT関連企業やネットにフォーカスしてビジネスを展開する企業の割合が特に増加していることがわかった。
近年、設立後間もないIT系ベンチャーに資金面や経営面などで総合的に支援する独立系VCなどのスタートアップアクセラレーターの活動が話題となっている。JVRでは、この結果に対するスタートアップアクセラレーターの影響について、別途調査してみる必要があるとしている。
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