ハッカーらがプライベートな「Ninja Tel」ネットワークを構築--DEFCON会議で

Elinor Mills (CNET News) 翻訳校正: 編集部2012年07月30日 15時16分

 電話のフリーキング(公衆電話網に侵入し、ただで電話をかける行為)を行って10代を過ごしていたハッカーたちが、DEFCON会議の会場で独自のGSMネットワークを構築し、高度にカスタマイズされたAndroid携帯電話上で独創的な面白いアプリを提供している。

 Ninjaという名前のこのハッカー集団は独自にカスタマイズした携帯電話を、同コミュニティーに貢献した人々や、一部の幸運な友人たちに無料で配布している。またこの携帯電話と付属のストラップは、米国時間7月28日開催の年次Ninjaパーティーに入場するための「バッジ」としても機能する。なお、DEFCON会議の参加者たちも、献血を行うか、骨髄提供者として登録するか、電子フロンティア財団(EFF)に寄付することでこのパーティーに参加することができる。

 配布されている携帯電話は、Android 4.0.3を搭載した「HTC One V」である。通話はプライベートなGSMネットワーク、あるいはDEFCONのWi-Fiネットワークを経由して行われる。なお、ネットワークは暗号化されておらず、緊急通報用の電話番号にかけることもできない。

 Ninjaの1人であるMichael J.J. Tiffany氏によると、この「Ninja Tel」ネットワークは「オープンなベーストランシーバ基地局(BTS)ネットワークとしては、今までになかったほど規模の大きなもの」だという。BTSネットワークはソフトウェアベースのスイッチングテクノロジを採用しているため、ライトバンのような狭いスペースに機器を設置することができる。

 Ninja Telのライトバンには、公式と見まがうほどのロゴが描かれ、ヘルメットをかぶった作業員が乗り込んでおり、GSMベースステーションや高さ12フィート(約3.7m)のアンテナ、ネットワークサーバ、ウェブアプリサーバ、その他の機器が積み込まれている。なお、ライトバン自体はDEFCON会場の大きな部屋内に設置されている。Tiffany氏によると、このプロジェクトは完成までに約10カ月を要したという。


Ninja Telのライトバン
提供:Seth Rosenblatt/CNET

 このプライベートなネットワークには650台の携帯電話が接続され、ユーザーは電話をかけたり、テキストメッセージのやり取りを行ったり、チャットを楽しんだり、電話会議に参加したり、ちゃんばらゲームで遊んだりしている。また、同携帯電話ではAndroidの統合開発環境(IDE)を用いて開発されたアプリも利用可能になっている。

 MovieFoneをもじって名付けられたBoozeFoneという人気アプリでは、ウォッカは1、「Jack Daniels」は2、「Pabst Blue Ribbon(PBR)」ビールは3といった番号を押すことができ、それぞれにはユーモラスなオーディオメッセージが割り当てられている。またユーザーは、自らがどのようなアルコールを手にしているのかをシステムに通知することができ、誰かが電話をかけて同じ種類のアルコールをリクエストすると、両者が引き合わされるようになっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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