最後に、Highlightは外観が新しくなった。まだ「Path」のようにはいかないが、見た目の良いアプリだ。
Highlightの変更点でさらに重要なのは、人々をつなぐアルゴリズムへの細かい変更が続けられていることだ。Davison氏が語ったところでは、興味が共通する人が近くにいるという理由だけで、必ずユーザーに通知されるわけではない。たとえば、ユーザーが時速60マイル(時速約97km)で移動しているという情報が、ユーザーのスマートフォンからHighlightに伝えられたとする。そのユーザーが誰かの横を通り過ぎたとしても、おそらく車に乗っている状態であるため、近くのユーザーについて通知してもあまり意味がない。
もちろん、多くの人々が問題にするのはアルゴリズムではなく、Highlightのコンセプトそのものだ。Highlightを煩わしい、あるいは気味が悪いと考える人もいるだろう。Davison氏は、自分が取り組んでいるのは社会工学であること、そしてわずかな変更がユーザーの感じ方に大きく影響することを繰り返し述べる。「新しいソーシャルサービスのほとんどが、奇妙だとか、気味が悪いとか言われてきた。しかし、面白いと言って試してみる人々もいる。プライバシーを犠牲にするだけの価値があると考える人々もいる。それはFacebookでも、Twitterでもあったことだ。それはわれわれにとって、社会工学上の大きな挑戦だ」(Davison氏)
Davison氏は、自分のアプリが世界をより良い場所にするという思いを熱心に語る。同氏は、現在の世界の仕組みについて次のように述べた。「見知らぬ人ばかりの世界になりつつあることをわれわれは受け入れている。愛することができるかもしれない人のそばを、あなたはそれと気付かぬままに通り過ぎていく。それは良いシステムではない」(Davison氏)
Davison氏は、自分のアプリは「周囲との親密さ」を生みだし、互いのつながりを向上させると考えている。同氏によれば、われわれは既に、つながりを求めて自らを宣伝しているという。それは、Tシャツを着る、こだわりのあるコーヒーショップに入りびたるなどの表現手段によってだ(これは、ぼろぼろに傷んだ印刷版のジャック・ケルアックの小説「路上」をFour Barrelで読んでいるような、流行に敏感な若者向けのサインだ。もっと賢い方法もあるが、考え方としては正しい)。Highlightは、こうしたつながりを実現するとともに、つながりが生まれる可能性をもっと高くすると同氏は言う。
「われわれは将来、『昔は何も見えないまま歩き回っていたことが信じられない』と言うようになるだろう」(Davison氏)
筆者はHighlightをもう一度試しているところだ。ダウンロードしてから、気に入らなかった一部の新機能はオフにした(特に、人と出会ったり、そうした人々にフラグを付けたりしたときにFacebookに投稿される機能は好きではない)。しかし、出席したばかりの発表イベントで、筆者は既に好ましいつながりをいくつか作ることができた。Highlightではいまだに、自分の情報が危険なまでに共有されすぎるというきらいがあるが、3月に初めてこのアプリを記事にした時に比べれば、今回はそれほど気味の悪い感じはしていないことを認めよう。Davison氏は正しいのかもしれない。世界は変わりつつあり、Highlightのようなアプリはその理由の1つである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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