日本テレビ放送網は6月に今一番盛り上がっているテレビ番組がわかるスマートフォン、タブレット向けアプリ「wiz tv」(iOS版、Android版)をリリースした。放送番組や番組内のコーナーにそった日テレアプリが多い中「テレビを楽しむ」という目的で作られたwiz tv。その開発背景と機能を編成局メディアデザインセンターメディアクリエイション部主任の原浩生氏に聞いた。
まず、ネットメディアが台頭してきて「テレビ vs ネット」という構図が浸透していますが、そうではなくて「テレビ with ネット」という環境を作ることが大切だと思ったんです。テレビかネットか、ではなくて、テレビとネットを一緒に楽しむ、そういう仕掛けを作りたいと思いました。
もう一つは、スマートフォンの普及です。スマートフォンはパーソナルで常にオンライン状態にある端末です。家にいる時も手元においておける。そのスマートフォンとテレビをつなぐ接点を作っておきたかったんです。
はい。テレビ向けとして提供したのは今回が初めてです。アプリにもいろいろな方向性があって「3分クッキング」のような番組情報を後から確認できるようなものもありますし、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!チキチキ罰ゲームルーレット大会」のように番組の人気コーナーを切り取って提供する場合もあります。
スマートフォンをテレビ番組の情報が表示される「ダブルスクリーン」として捉えた時に「テレビを見るときはこのアプリさえあればいい」というものを作りたかったんです。
定番となるアプリは、シチュエーションごとにまとまっていますよね。電車を乗る時は乗り換えアプリを見るし、天気を知りたければ天気用のアプリを使う。wiz tvはその中でテレビを見る時にはこれさえ立ち上げればいいというもの目指しました。そのため、この番組を見ているときはこのアプリ、この局を見ているときはこちらのアプリとするわけにはいきませんから、他局の情報も掲載しています。
番組の盛り上がり度合いは独自の「wiz指数」から計測しています。これはTwitterの関連ツイート数とリツイート数に加えて、wiz tvアプリ上でコメントに「いいね!」的な同意ができる機能を加えて出しています。
現在はTwitterを中心に盛り上がり度合いを計測していますが、今後のバージョンアップでは、Facebookの「いいね!」を連動させたり、ネットの中でテレビに関して盛り上がっていること全体を可視化することが狙いです。
これは、テレビを見ていない時にも使って欲しいという気持ちも込めて組み込んだ機能です。ダブルスクリーンと言うとテレビを見ている時にしか楽しめないアプリと思われてしまいがちなんですが、wiz tvはテレビを見ていない時でも楽しめるアプリであって欲しい。
言わばYahoo!ニュース トピックスをチェックするように「テレビで何か面白いことあったかな」という感じで立ちあげて、楽しんでもらいたいんです。
過去のさかのぼり機能はそうした体験を自然に味わっていただけるものだと思っています。現在はグラフの盛り上がり部分をクリックすると、その時点のタイムラインや番組情報を見られるようにしているのですが、今後はもっと直感的に過去のトピックスがわかるような機能を入れていきたいですね。キーワードを表示するとか、ランキングページを作るとか、そんな紹介の仕方を考えています。
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