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Big Tent 2012:Googleが日本で初めて開催した国際会議のテーマは「災害」

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  • 記者会見の参加者。左から、Googleのレイチェル・ウェットストーン上級副社長、国連のマルガレータ・ワルストロム氏、Twitter日本法人代表の近藤正晃ジェームス氏、Googleのブライアン・マクレンドン副社長。

 Googleは、プライバシーや公共政策などの様々なテーマとITテクノロジーを組み合わせた国際会議「Big Tent」を世界各地で開催している。今回、日本で初めて開催するにあたりテーマを「災害」とし、開催地は宮城県仙台市が選ばれた。

 このイベントでは、政治家や企業、NPO組織など様々な立場の人が集まって、テーマに対してテクノロジーで何ができるかについて発表したり、話し合ったりする。7月3日に開催された今回は、Google関係者はもちろん、内閣府、国連や赤十字などの国際ボランティアに加え、ITを使ったボランティア活動を行っている人達も参加し、ネット技術、インフラ、ソーシャルネットワーク、オープンデータなどの話題をテーマにした発表やパネルディスカッションが行われ、参加者は460名を超えた。

 同日行われた記者会見には、国連事務総長特別代表で防災を担当するマルガレータ・ワルストロム氏、Twitter日本法人代表の近藤正晃ジェームス氏、そして、Googleからはエンジニアリング部門担当のブライアン・マクレンドン副社長と、パブリックポリシーとコミュニケーションを担当するレイチェル・ウェットストーン上級副社長が出席し、イベントの内容について報告を行った。

 Googleのマクレンドン副社長は、同社の災害への取り組みであるクライシスレスポンスについて、20%プロジェクト(すべてのエンジニアが20%の時間を自分が重要だと思うプロジェクトに費やせるというルール)から正式な活動へ移行したとし、米国・ニューオリンズでのハリケーン・カトリーナの災害時には、ジオデータを活用して現地の支援情報をまとめたり、ハイチ地震や東日本大震災では、衛星写真やパーソンファインダーを使った支援を行ったりしたことを紹介。情報についてはクリエイティブコモンズのライセンスを使うなどしているという。

 また、国連のワルストロム氏によると、世界全体で災害よる経済損失が拡大しているという。情報発信は被災地での支援活動に役立ち、そこでは人の知恵と準備が大切とコメント。最近では、ITを利用した支援活動ができるよう、現地や支援者が自由に活用できるオープンソースデータ形式での情報共有が増えていることから、それらを個人や地方自治体といった小さな単位でも活用できるようにすることが大切と主張した。

 Twitterの近藤氏は、「東日本大震災はネット環境の豊かな国で初めて起きた大規模災害であり、そこでどのようなことがなされたかを検証するのはTwitter社の責務である」としている。他社や政府との連携方法についてガイドラインなどを作成することが必要で、個人としては、内閣府が慶應義塾大学環境情報学部長の村井純教授を座長に迎えて運営する「IT防災ライフライン推進協議会」において、副座長を務めることを発表した。同協議会では、総理(IT戦略本部)の下でITの活用について、規制改革やコラボレーション形式のあり方、ガイドラインの作成などを行い、国際貢献につなげたいとしている。

 さらに後半の質疑応答で近藤氏は、ネットを通じて正確な情報を提供するためには、実名などで情報の出自を明確にして信頼性を担保したり、データを使いやすいフォーマットでオープン化してAPIを公開したり、クラウドソーシングやマッピングなどで集約して使いやすくしたりすることが必要であるとし、実際に東日本大震災で役立った方法をフレームワークにしていく予定があるとコメント。また、現場では企業の利害を超えていかに早く動けるかが大切になるとしている。

 こうした一方で、政府や行政など重要な情報を持つ機関がなかなか情報を公開しない状況について、国連のワルストロム氏は「全ての情報を公開するよう強制するのは無理だが、ITを活用することでそうしたデータが役立つことをもっと認知されれば、変わるのではないか」とコメントした。

 特に原子力発電所の事故に関しては、自然災害のように参考にできる事例が古いため誤った情報も生じやすいが、パニックは情報が隠ぺいされて不足している時にこそ起きるのであり、そのためにもどのような情報公開の手段があるのかを検討していきたいとしている。

 さらに、Googleのマクレンドン氏は、今後発信されるデータ量が膨大になる中で、誰が情報を発信するかというヒューマンファクトも合わせて重要になってくるのではないかとした。

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