頓智ドットは6月27日、5月15日から事前登録を開始していた新サービス「tab」の提供を開始した。ネット上にある興味・関心を行動に結びつけられるサービスで、同日よりiPadアプリとウェブサイトを公開している。7月中にはiPhoneアプリもリリースする予定。
「tab」は、興味のある情報をあらかじめお気に入りに登録しておくことで、アプリを起動した際に、現在地周辺でお気に入り登録していた店舗や施設情報を表示してくれるサービス。雑誌を眺めるような感覚で、直感的に操作できるユーザーインターフェースを採用しているのが特徴だ。なお、現時点でプッシュ通知機能は搭載されていないため、都度アプリを起動する必要がある。
「tab」を立ち上げると、「新着」や「人気」といったタイル状のレーンが表示される。気になるアイテムをタップすると、テーマを持った切り口でまとめられた一連のtab(アイテムの集まり)が上部に、そのアイテムに似たアイテムが下部に表示される。
気に入ったアイテムは、tabボタンをタップすることでストックすることができる。tabは一連のつながりとして名前を付けることができ、ユーザーは他のユーザーが作成したtabをフォローすることが可能。また詳細アイテム情報にはコメントを残すこともできる。iPadやiPhoneなど、GPSを搭載した端末で「tab」にアクセスすると、現在地周辺の自分がtabに入れたアイテムや人気のアイテムがピックアップされて表示される。
今後ウェブサイトでは、iPadと同様の機能に加えて、ブックマークレットや簡単なブログ投稿のような画面で詳細ページを作成できる編集機能を提供する予定。また、iPad・iPhone から撮影した写真をアップロードして、自分のアイテムとして投稿できる機能も提供する予定だという。
同日の記者発表会で登壇した頓智ドット代表取締役社長 兼 CEOの谷口昌仁氏は、「検索して新商品を見つけて『実物を見てみたいな』と思ったり、Facebookで友達が投稿したカフェに『行ってみたいな』と思うかもしれない。しかし実際に街に出た時には、興味を持ったものが体験できる場所の近くにいたとしても、忘れていて気づかなかったという経験をもつ人もたくさんいると思う」と指摘。tabを利用することで、こういった機会ロスを防ぐことができると強調する。
またtabのデモを紹介した、頓智ドット取締役会長 兼 CMOの井口尊仁氏は、「セカイカメラで現実世界を可視化して人間の行動を変えようと思った。そのビジョンをアイデアの段階で終わらせるのではなく、皆さんが自分の好きなことをどんどんシェアして、現実の都市空間で体験できるということを本当に成功させたい」と語る。
サービス開始に先立ち、4月26日より実施しているクローズドベータテストには1417名が登録。ユーザーの週間アクティブユーザー率は51.3%、1ユーザーの平均投稿数は3.6アイテム/日、tabを使って実際に行動したユーザーは50%におよぶ。また、すでに「本好きなら憧れるイチオシスポット」や「差し入れで欲しい絶品スイーツ」といった人気のコンテンツも生まれているという。
谷口氏は、情報をお気に入りに登録することで、ユーザーは“意図せずに特集を作っていることになる”と説明する。「自分が自分のために興味をもって集めたコンテンツ自体が他のユーザーにとって有益なコンテンツとなる。別の見方をするとある1つのコンテンツに対して、さまざまな人の多様な切り口で商品を楽しめる」(谷口氏)。
コンテンツは一般ユーザーのほか、ブランド企業や、出版社・メディア、地域店舗などと提携して充実を図る。また将来的には、ユーザーが興味をもって行動した際に店舗で利用できる決済ツールや、店舗とユーザー間のコミュニティ機能なども提供していきたいという。「リアルでの行動をすべてサポートしていきたい」(谷口氏)。
目標のユーザー数については、「セカイカメラは300万ダウンロードまでに2年と数カ月かかっているが、(tabでは)最低でも1年で300万ダウンロードはいきたい」(谷口氏)と語り、今後のスマートフォンの普及スピードを考えれば、十分狙える数字だとした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス