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現小学生の65%は今存在していない職に就く--マイクロソフトが教育事業に取り組む理由

怒賀新也 (編集部)2012年06月21日 09時00分
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 日本マイクロソフトは6月20日、東京・豊島区の千川中学校において、タブレット型PCなどICTを利用して授業をする様子を記者に紹介する公開授業を開催した。豊島区教育委員会やPCを提供するレノボ・ジャパンも協力。授業では、中学生がタブレットPCを使いこなし、化学物質の反応の様子を調べる実験をした。集中力のなかった生徒が積極的に学習に取り組むなど、成果が上がったという。

タブレットを使って実験結果を入力する生徒
タブレットを使って実験結果を入力する生徒

 取り組みに参加した教育機関は、豊島区教育委員会および千川中学校。さらに東京大学も加わり、講義のノウハウを伝えた。運営面では日本マイクロソフトがクラウドサービスや専門家の派遣支援を、レノボ・ジャパンがタブレットPC40台を提供するなど産官学が協力している。

 公開授業に先立ち、豊島区教育長の三田一則氏と千川中学の小林豊茂校長が取り組みの意図について「21世紀型スキル」の育成を目指していると説明。

 東京大学 大学院情報学環准教授の山内祐平氏が、技術の進化などが今後進むことにより「小学生の65%が今はまだ存在していない職業につく」との指摘があることを紹介した。例えば、ビッグデータの活用が叫ばれる中で、企業内の事業部門にデータの専門家が必要との指摘があり、注目を集めているデータスチュワードを山内氏は新たな職種の一例として挙げる。不確実性の高い時代を向かえるにあたり、必要とされるスキルを21世紀型スキルと位置付けた。

東京大学 大学院情報学環准教授の山内祐平氏
東京大学 大学院情報学環准教授の山内祐平氏

 「21世紀型スキルとはITを使って頭に汗をかくことで身につく。最も重要なのは問題解決力。高度な課題解決型の授業をしていく」(山内氏)

 日本マイクロソフトは21世紀型スキルを生徒が身につけるために「良い先生、授業、ICTの組み合わせが今後の日本の教育に必要」であるとして、同社が教育事業に取り組む理由を説明した。

 公開授業の科目は理科。鉄と硫黄の結びつきについての実験を生徒が4、5人の班に分かれて実施した。鉄粉8.0グラムと硫黄の粉末4.0グラムを反応させるというもの。実験の様子をデジタルカメラで撮影しながら、タブレットPCに入力。実験結果の考察を各班ごとに発表した。

和やかな雰囲気で実験に取り組む生徒たち
和やかな雰囲気で実験に取り組む生徒たち

 授業を担当した加瀬康夫主幹教諭によれば、実験の「正解」は、「ガスバーナーで熱を加えたりしなくても、鉄と硫黄に水を混ぜると反応して熱を発し、硫化鉄ができる。その物質は(磁石につかないはずの硫化鉄だが)磁石にくっつく。なぜなら、硫黄よりも鉄の方が多いため、硫化鉄にならなかった分の鉄が残っているから」だという。

 公開授業では、記者などの部外者が取り囲む格好となり、はじめはざわつく場面もあったが、すぐに生徒は集中力を取り戻した。硫黄のにおいが立ち込める中でも、実験結果を随時タブレットPCに打ち込み、状況を確認している姿が印象的だった。

 日本マイクロソフトの文教ソリューション本部長の中川哲氏は、中学生の実際の声を聞くことで、ペンとキーボード、タッチパネルの使い勝手など「教育に最適なデバイスを確認できた」などプロジェクト実施による成果を説明した。

日本マイクロソフトの中川哲氏
日本マイクロソフトの中川哲氏

 一方、タブレットPCを提供したレノボ・ジャパンのノートブック開発研究所担当の横田聡一氏は、教育現場でタブレットPCを使う利点について「持ち運びができること、キーボード・タッチスクリーン・ペン入力の3つが利用できること」などを挙げる。

 レノボでは、一般ユーザーを特設の部屋に呼び、自由にPCを使ってもらった上で、その様子をユーザーからは別の部屋で観察するなどの方法で、使い勝手向上への努力をしていることなども紹介した。

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