古川:資金調達した当時、社員役員で5人だった体制は現在16人。アルバイトなどを含めると総勢40名の組織になりました。(前職の)リクルート時代の人事関連の方に「人の採用は経営者に合わせるか、事業に合わせるか、それとも従業員に合わせるかのどれかだ」というアドバイスを頂いたことがあります。今の採用は、スキル以上に「数字をベースに改善を積み重ねていく」という自社のスタイルにマッチする人に声をかけています。
組織でいうと、外部の力も大きく借りています。主に、エンジェルの小澤さん(小澤隆生氏)や投資を受けているグロービス・キャピタル・パートナーズの高宮さん(高宮慎一氏)などをはじめとした外部取締役と、コンサルティングで入ってくれている人たちです。高宮さんとの出会いは実は古いんです。まだ僕がリクルートにいる時に、高宮さんのほうから「ランチしましょう」と声をかけてくれたことがきっかけでした。
古川:受託仕事の依頼元は前職のリクルートが多かったです。先方にしても数百万円の予算でスモールスタートしたいという要望がありましたから、新規事業にも企画から入って開発まで請け負う。そんな感じでしのいでました。
古川:過去、宮崎(COOの宮崎拓海氏)が先頭に立って販売していた「スペシャルレシピ」という企画広告商品がありました。ものはすごく大きな結果を出すケースがある反面、ダメなものは本当にダメで、その効果にムラがあったんです。コンバージョン率は良いがそもそも流入が弱い、というケースもありました。そういったケースを1つ1つ検証改善して現在リリース予定の商品企画に反映させています。
宮崎:当時の導入企業はほとんどがnanapiを知ってくれている方で、向こうから問い合わせをしてきてくれるケースです。nanapiのハウツーとして取り上げてください、というオーダーですね。企画などでしっかりとフォローする代わり、本当は握らないといけないコンバージョンや獲得などの数字は協力的に見てもらうことも多かったです。
宮崎:これまでの過程で、ようやく自分達の強みや弱みがわかってきたんです。たとえばある案件で、流入に関して顧客が取りこぼしているニッチワード、「結婚指輪」とかそういったものについてnanapiは流入させる導線の強さを発揮できるようになりました。
配信ボリュームの改善で、ある程度の規模になってきたので、DSP型の商品提供も予定しています。具体的には、タイアップの企画を用意してnanapiのカテゴリーを全面ジャックしてもらい、訪問してきたユーザーが離脱後も適切な広告表示をすることで、効果を高めるといった提案です。
古川:これまでの制作型のマーケティング商品に加えて、こういった広告型のスケールしやすい商品を新たに投入していこうと考えています。
古川:私たちは非常に“普通”な会社だと思っています。当たり前な、王道なことを地味に積み上げようとしているだけです。それは決して簡単なことではないですが、奇抜なアイデアに時間をかけるのではなく、きちんと普通のことをやりきるのが大事だと考えています。まあ、他が奇抜なアイデアで当たってるのをみるとうらやましいと思うこともありますけどね(笑)
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