強い事業をより強く--三菱電機の山西社長、成長戦略を示す

 三菱電機が5月21日に発表した経営戦略は、グローバル戦略を力強く推進していく姿勢を示すものとなった。

 三菱電機 代表執行役社長の山西健一郎氏は、「2021年の創業100周年に目指す当社の姿は、グローバル環境先進企業。環境・エネルギー分野と社会インフラシステムを2つの軸として、そこにグローバル展開で成長を図る。強い事業を、グローバルでより強く推進し、各地域のニーズに対応した製品開発、事業間連携による地域戦略推進を図る」とする。

三菱電機の山西健一郎社長
三菱電機の山西健一郎社長

 同社では、2011年度実績で34%の海外売上高比率を、2013年度以降の早い時期に40%にまで高める方針を打ち出すほか、現在、20%の海外生産比率も「地産地消を進める上で、海外生産の強化に設備投資をしていきたい」と語り、さらに高めていく姿勢をみせている。

 グローバルで伸ばす強い事業は、電力システム、交通システム、ビルシステム、FAシステム、自動車機器、パワーデバイス、空調システムの7つだ。

 主に重電システム分野、産業メカトロニクス分野が、グローバル成長のベースになると位置づけている。

 とくに、利益の稼ぎ頭とするFAシステムと自動車機器は、今回初めて2015年度の売上高目標を公表。国内外を含めて、FAシステムでは6000億円、自動車機器では6500億円を目指すとした。

 FAシステムでは、生産からエネルギー管理までの統合ソリューションとグローバルな技術サポート力を強みとし、なかでも中国での事業強化を核に、台湾・韓国、インド、ASEAN、中東欧・ロシア、ブラジルでの事業拡大を図る。また、自動車機器ではダイムラーおよびホンダとの協業によって事業拡大を進めているカーナビでの展開や、世界一のシェアを持つ電動パワーステアリングをはじめとする回転機、EV/HEV市場向けのIPU(インテグレーテッド・パワードライブ・ユニット)などの製品群での事業成長を見込んでいる。

 そのほか、グローバルでの成長を見込む事業では、電力システムが国内外含めて2015年度に4000億円の売上高を目指すほか、交通システムで2300億円、ビルシステムで4700億円、パワーデバイスで1900億円、空調システムで7200億円を見込んでいる。唯一、空調システムだけが前年公表の8000億円から下方修正しているが、「欧州市場の伸び悩みと為替の影響を考慮した」(山西社長)とする。

 同社では、2012年度の業績見通しとして、売上高で2.8%増の3兆7400億円、営業利益で11.3%減の2000億円、当期純利益で7.1%増の1200億円を目指す。

  • 2つの軸にグローバル展開を加えて成長を目指す

  • FAシステムと自動車機器の2015年度売上高目標を初公開

  • セグメント別の業績見通し

 「営業利益が前年割れとなっているのは、重電システムにおいて中国の鉄道事故以降、体制が変更になり受注が変化していること、産業メカトロニクスではカーナビがかなりの勢いで成長しているが、その一方で車載情報センター化に向けた研究開発費が必要であること、情報通信システムにおいて、電子システムでの指名停止の影響があることを見込んだ。だが、好調な自動車機器事業、パワー半導体、白物家電事業などにより、期中に引き上げを考えたい」と意欲をみせる。

 なお、防衛省や総務省、宇宙航空研究開発機構などとの契約において、費用を過大に請求していた問題により競争入札の指名停止処分を受けたことについて、山西氏は陳謝した。

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