ケンコーコムは5月17日、楽天と資本業務提携に関して合意し、第三者割当増資を実施すると発表した。
ケンコーコムでは、楽天のECに対する知見やインターネットユーザーへの知名度、楽天市場の集客力と、自社で培ってきた物流システムや顧客サービスのノウハウを活用することによって、両者の強みを活かした新たなEC事業を展開することが可能であると今回の合意について説明する。
今回の第三者割当増資により、ケンコーコムでは普通株式2万7706株(議決権ベースで40.75%、発行済株式総数ベースで40.48%)を発行し、楽天がこのすべてを引き受ける予定。払込期日は6月19日、発行価格は、1株につき5万4943円。これにより、同社の筆頭株主は楽天となる。また、ケンコーコムでは2011年3月に楽天の投資子会社であるRSエンパワメントを割当先とした第三者割当増資を実施しており、今回の増資を合わせると、楽天グループが議決権ベースで51.75%の株式を保有することになる。
調達資金の使途については、物流拠点の拡充に6億7000万円、システムの整備公開に5億5000万円、海外事業への投資等に2億8000万円を充当する。また楽天では、今回の増資に合わせて、4名の取締役を派遣する予定。
ケンコーコムと言えば、一般用医薬品のネット販売に関わる行政訴訟の控訴審で勝訴するも、国側が上告し、裁判のさらなる長期化が避けられない状況。楽天ではこのタイミングでの出資について、「ケンコーコムは楽天市場に出店するなどの関係はあった。話し合いは以前からしており、あくまで事業面での連携」と説明する。ケンコーコムでも同様に楽天市場を通じて楽天との関係が構築されていたことを説明。「ECという流れの速い市場で対応するすための前向きな提携」と語っている。
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