KDDI、沖縄セルラーは5月15日、2012年夏モデルと新サービス「うたパス」「ビデオパス」を発表した。
今回、KDDIがこれまで以上に力を入れているのはサービスだ。KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「ニーズが変わってきて、スマートフォン単独では満足いただけない。スマートフォンでできることをご提案しないといけないという思いで発表した」と記者会見後の囲み取材で語っている。
記者発表会でも大幅に時間をかけ、1月に発表した「スマートパスポート構想」の現状とさらなるステップとなる新サービスの詳細を説明した。
スマートパスポート構想は「auスマートパス」「auスマートバリュー」「au ID」の3つのキーファクタによって構成される。
FTTH/CATV各社と連携し、指定の固定通信サービスに契約することで、最大2年間スマートフォンの月額料金を1480円割引くauスマートバリューは、この春に100万契約を突破。さらに、月額390円で500本のアプリを自由にダウンロードでき、1Gバイトのストレージなどを提供するauスマートパスも開始から2カ月で100万契約を突破した。
田中氏は「調べてみたが、有料のコンテンツサービスで、開始2カ月で100万契約突破は史上初ではないか」と好調ぶりをアピールする。
今回の発表は“スマートパスポートSTEP 2”と位置付ける。「スマートフォンをもっと楽しんでほしい」とし、生活における2大エンターテインメントとされる音楽と映画にフォーカスした。同社の調査によれば、映像や音楽は76%が暇つぶしではなく自分の時間を充実させるものと考えており、意識や価値観が高いという。
現在は、音楽も映画もレンタルショップから借りてくるスタイルが多いが、「聴きたいときにすぐ聴きたい」「1カ月間で音楽や映画にかけるお金を気にしている」──それらの声に応えるものが、うたパスとビデオパスだという。
(1)定額・楽しみ放題、(2)マルチデバイス、(3)ソーシャルの3つを組み合わせ、クラウドから音楽や映画をダウンロードして視聴できるようにした。
うたパスは、複数ジャンルのチャンネルから、ラジオのように流れる音楽を楽しめるサービス。好きな楽曲や友人をリストとして蓄積できるほか、ソーシャルフォロー機能を使って、音楽を再生している友人と一緒に音楽を聴くことができる。また、流れてくる曲が気に入ったらハートマークを押すことで、趣向にあった曲を再生できるしくみを持つ。6月中旬に提供開始予定で料金は月額315円。
ビデオパスは月額590円で、映画、ドラマ、アニメなどが見放題になるサービス。DVDレンタルと同時配信の新作映画やドラマ、アニメを、1本500円前後でレンタルすることも可能。au IDを取得していれば、スマートフォン、PC、テレビなどマルチデバイスで視聴することが可能だ。
ビデオパスは、「hulu」と競合するサービスで、スマートフォンだけでなく、タブレット、PC、テレビにも対応する。ただし、価格は月額590円とhuluよりも低価格なこと、毎月1本の新作を無料で見られるようにした点を特長とする。
タイトル数は明らかにしていないが、「タイトル数の競争は、実はもう終わっているのではないか。タイトル数だけじゃ満足しないというのは調査ではっきりしている。新しいものが見られる、そういうところがauらしさ」と田中氏は強調した。
最後に「もう一つ、お知らせ」として、うたパスとビデオパスをテレビで見るためのセットトップボックス「Smart TV Box」を発表。Android 4.0を搭載しているという。今夏にトライアルを開始するとしている。
また、今後Wi-Fiなどネットワークの品質も強化する。従来の2.4GHz帯だけでなく、電波干渉が少なく安定した5GHz帯もサポート。Wi-Fi接続シーケンスの最適化や、au Wi-Fi接続ツールのアプリ改善などにより、3GとWi-Fiの自動切り替え時間を従来の半分以下に短縮していくという。また、Wi-Fiに自動接続すると電池の持ちが悪くなるという声に応え、今後は電池の持ちを2倍以上に向上させていくとした。
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