特撮博物館の開催にあわせて、短編特撮映画「巨神兵東京に現る」も制作・公開される。いきさつについては展示会の打ち合わせの際、どこからともなく「単に展示だけではつまらないから、映像も作ろう」という流れになり、庵野氏がすぐに「巨神兵を出そう」と言い出したという。この映画は一切CGを使わず、特撮の技術のみで制作しているとのこと。まだ制作中であるため、尺に関しては5分から10分の間ぐらいとのこと。
この打ち合わせが行われたのがジブリだったこともあり、巨神兵が登場した「風の谷のナウシカ」の原作者である宮崎駿氏に話をしたところ、即答で快諾したとのこと。「巨神兵はいいよ。でもナウシカは出すなと言われました(笑)」(庵野氏)。
ステージでは、映画で使う巨神兵のひな形となるものも公開された。制作は造形作家の竹谷隆之氏が担当している。樋口氏は「竹谷さんにお願いしたことそのものがこだわり。彼にしかできないから」とコメント。ちなみに鈴木氏は宮崎氏にあまり映画のことは教えてないとしながらも、巨神兵のデザインは見せ、そのときはクスッと笑ったという。
樋口氏は映画で伝えたいこととして「この映画で使われた物も展示されます。制作の舞台裏の様子を一緒に感じてほしい」とコメント。なお、本日5月11日に日本テレビ系列で放送される金曜ロードSHOW!の「風の谷のナウシカ」において、番組の最後に「巨神兵東京にあらわる」のワンカットを公開する予定となっている。
最後に庵野氏は、特撮を後世に残したいきたい意向を改めて強調しつつ、文化庁に相談したことのエピソードを語った。「文化庁から見ると、こういうの(ミニチュア)はゴミらしいんです。残す気が無くてお金も出さないと言われました。でも今回美術館で展示すると言うことは”美術品”です。美術品だと言い切るぐらいの箔をつけたいです。国もアニメやゲームばかりではなく、失われつつある特撮に関してもお金を回してほしい。それが僕の願いです」と熱く語ると、会場から拍手がわき起こった。
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