起業の頃から「当たって砕けろ」で学んできた--フラッタースケープ柿山氏 - (page 2)

 学生時代は週末起業家として中古車の販売や英会話学校の経営なんかもやってました。学生ながら商売としてはうまくいっていて、結構稼いでいましたね。ドイツ銀行で契約社員として働いていたのもその頃です。

 ドイツ銀行ではクレジット関係のリスクマネジメントの仕事を主にしていました。でも、金融に流れていく自分ともやもやしている自分がいたんですね。正直金融はつまらなかった(笑)。そんなある時、NHKのドキュメンタリーでKiva(発展途上国の起業家に少額から融資できるマイクロファイナンスサービス)のことを知りました。

 Kivaは先進国が発展途上国に25ドルをPayPalで送金する、たったそれだけで世界を変えたんです。その資金をつかって(発展途上国の)起業家達は自発的に自国に貢献ができる。自分もインターネットの力で個人をエンパワーしたいと思えた。1時間程の番組でしたが、ずっと涙流しちゃって。「これだ!」と決めた日でした。

--高校時代にカナダに留学されてましたよね。

 日本の高校に通っていたときに、オーストラリアにいく機会があったんです。初めての海外です。純粋にもっと英語を学びたいなと思うようになって両親に相談したら知人のつてでカナダの高校に行けることになり、それで転入しました。ただ、カナダなのでバンクーバーだと思ってたら人口1万人ほどの島でして。何にもなかったので自分達で楽しみ方を探して学んだのもいい経験でしたね。

 あまりにも楽しくて、気がついたらビザが無くなっていました。現地の大学に行きたかったんですが、日本に帰国しました。しばらくフリーターみたいな状態を2年程続けてある日、大学にいかないとダメだなと気がついて、上智大学に入学したんです。

--学生起業からサービスの運営、新サービスの公開まで、さまざまな経験を通して学んだことはありますか。

 やはり一番厳しかったのは大学卒業時に会社を設立した時のことです。さまざまな可能性をよく考えたかったので、たくさんの経営者の方に話を聞いて回りましたが、全員が全員違うことを言うわけです。結局自分で決めなきゃいけないと理解して、自分で会社を運営することを選んだわけですが、当然資金が必要になる。そのために走り回ったのは相当な試練でしたね。当時は大分痩せましたよ。

 でもね、これまでもずっと「当たって砕けろ」の気持ちで体当たりしながら学んできたんです。確かに大変でしたが、怖いと思うことはないんです。

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