NTTぷららは4月9日、映像配信サービス「ひかりTV」の2012年度事業説明会を開催した。3月末で会員数200万を達成した背景や、Twitter連携など新サービスの開発スケジュールを話した。
NTTぷらら代表取締役社長の板東浩二氏は「会員の純増数が60万人となり、3月末に200万会員を達成できた。東日本大震災の影響で2011年の春から7月ごろまでは会員数が伸び悩んだが、AKB48のコント番組を提供し始めた頃から急激に伸び、結果的に過去最高の純増数を達成できた」と2011年の会員動向を話した。
ひかりTVでは、HD化、ビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスの拡充、マルチスクリーンといった施策を2011年度に実施。HD化では全体の76%となる73chがHD画質になっているほか、VODは2011年度末で月間の視聴回数が2400万回を数える。板東氏は「会員数が200万なので、1人平均月12回VODを見ている計算になる。開始当初はビジネスになるのか、などと言われたが、VOD事業で日本最大規模になってきているのではないかと考えている」と自信をうかがわせた。
好調に事業を展開する同社が2012年度の主な取り組みとして掲げたのは
の4つ。合わせて、ペイパービュー個別購入機能やAndroid搭載チューナの提供など、サービス開発スケジュールも発表した。
現在スマートフォンやタブレット端末からの視聴をサポートしているマルチスクリーンサービスでは、見放題セット以外のコンテンツを個別に購入できる「ペイパービュー個別購入機能」を2012年度第1四半期から提供予定とのこと。操作面ではスマートフォンやタブレットをリモコンとして使用できる「スマートリモコン機能」を第2四半期より提供する。また、映像コンテンツをダウンロードした上で視聴する「ダウンロードレンタル」も2012年度内に提供予定であることも明らかにした。
操作性・利便性の向上については、ビデオサービスで提供する作品において、ユーザーの評価やコメントを掲載できる「レコメンド・レビュー・レーティング機能」を4月中に提供開始するとのこと。2011年8月にトライアルで実施したTwitter連携機能もひかりTVチャンネルが放映するパ・リーグ全試合において、本格導入する。開始時期は5月後半を予定。ツイートはハッシュタグを認識して表示され、リアルタイムで更新される。
このほか「ひかりTVショッピング」にて、画面をBMLブラウザからHTMLブラウザに変更し、表示速度を高速化するほか、地域やコンテンツジャンルなどをグルーピングして情報を提供する「コミュニケーション機能」も充実させていくとした。
新チャンネルでは4月1日から「ゴルフネットワーク HD」、4月10日から「Dlife HD」「FOX bs238」を加える。板東氏は「単なるチャンネル提供だけではなく、コンテツの共同製作や現行コンテンツのスマートフォン配信なども一緒に考えている」と新展開を話した。FOX bs238を手がけるFOXインターナショナル・チャンネルズとは、映画「シークレット・チルドレン」(監督:中島央氏)を共同で製作する予定だ。
一方、Dlifeではミニ番組枠にてひかりTVオリジナル番組を放送するほか、4月下旬から「ディズニー・チャンネル・オン・デマンド」の提供開始を予定している。ゴルフネットワークHDでも共同製作のオリジナル番組を手がけるほか、無料VOD作品の提供などを実施するという。
第3、4四半期に関しては、映像配信以外の電子書籍、音楽、ゲームなどのコンテンツの配信や、Android搭載チューナの発売などを予定する。
「ゲームや音楽配信をやるのであれば、月額固定料金で聞き放題、使い放題というサービスを展開していきたい。電子書籍については、テレビのユーザーを持っていることが大きなポイントになると思うので、テレビ画面向けに絵本など絵を主体とした配信を考えている」(板東氏)と差別化ポイントを話す。
Android OSを搭載したチューナは、従来製品の約10倍の処理速度を持ち、SDカードへの持ち出し対応や録画番組のBlu-ray Disc書き出しなどをサポートできるとのこと。こうした施策により、2012年度末には現在200万会員を255万まで拡大することを目指す。
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