みんなのマーケットは4月9日、空き部屋のオンラインマーケットプレース「Roomstay」を公開した。空いている部屋などの所有する居住スペースを公開し、ある期間だけ使いたい人に貸すことができる。
部屋の登録や空き部屋の予約などは無料で、マッチングが成立した際に部屋を貸す側は、設定した金額の30%を利用手数料としてRoomstay側に支払う仕組みとなっている。
サービスの使い方は至ってシンプルだ。部屋を貸し出したい側は部屋の情報を登録、期間と金額を設定して公開する。借りる側は諸条件を確認して決済し、予約を申し込む。
最終的に貸す側がすべてを承認した段階で決済が成立、部屋の情報などを開示して利用できるようになる。決済はすべてPayPalによる処理で、みんなのマーケットが集金処理することで直接の費用のやり取りが発生しない仕組みとなっている。
Roomstayのアイデアは、まさにAirbnbそのものだろう。Y Combinatorから2008年8月に登場したAirbnbは、世界中の空き部屋をマッチングするサービスとして人気を博し、1月に公開したインフォグラフィックで、これまでに500万件の部屋予約を実施したと発表している。
Airbnbは現在、ユーロ圏を中心にオフィスを拡大しており、9カ国に10のオフィスを構える。アジア圏には未進出で、中国にAirizu(愛日租)をはじめとする似たコンセプトのサイトが出始めているようだ。
「個人でももっと生き生きできる世界を作りたいんです」。みんなのマーケット代表取締役の浜野勇介氏がこう語る。法政大学時代、学生起業家としてフリーペーパー事業を立ち上げ、2011年8月に「スモールビジネスでももっと効率よく稼げるようにしたい」とマーケットプレース「くらしのマーケット」を立ち上げた。
個人で生きていく上で「必要な生活費をもっと稼ぎやすい世界を作りたい」とくらしのマーケットを立ち上げる一方、かかる生活コストを下げる方法も考えた。固定費で最もかさむのは家賃だ。
「空き部屋を有効活用して生活に必要な居住スペースをもっと安く使うことができれば、さらに自由になれる」と考えた浜野氏はAirbnbに注目、「新しい人との出会いも生まれる」とRoomstayの立ち上げを決意している。
この仕組みを聞いて最も不安に思うのは安全面についてだろう。実際、Airbnbでは過去に部屋を貸したユーザーが部屋を荒らされ、Airbnb側が全面的に謝罪するという事件が起きている。
この点について、Roomstay側ではいくつかの対策を考えているという。まず、誰もいない不在時の住居を貸すことは考えていないそうで、あくまで知人レベルの人に空いている部屋を貸し出す「ルームシェア」に近い利用方法から始めるそうだ。また、Airbnbでは直接の取引を防止するために、貸し出す側の名前やFacebookのアカウントを公開していないが、RoomstayではFacebookアカウントを公開するとしている。
「先に相手のことを知ることで共通の知人などの情報から利用する相手を選べるようにした」(浜野氏)。こうした取り組みで、全く知らない人に部屋を貸し出すことにはならない仕組みを提供しようとしている。部屋を貸す側が相手の情報を確認して承認しない限り、予約は成立しない。
今後について浜野氏は「今年の9月末までに国内の部屋登録数400室とマッチング成約数1000件を目指し、スマートフォンやモバイルアプリなどへの対応もしていく予定です」と説明している。
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